否定



生きていたくないと思った

二度と信じないと思った

惰性の結果として

今ここにいる


死んでもいいと思った

眠ってしまいたかった

二度と

その手の届かないところへ

行きたかった


耳をふさいで

目もとじて

歌を禁じて

私は私を否定していた


こんな身体があるからいけない

私が女だからいけない

人を信じるからいけなかった

最初に信じた人が私を汚し

次の人から汚されることを

私はどこかでまっている


そういう私を彼が否定した


生きていたいから今ここにいて、

信じたいから傷ついてるんだ

死んでもいいと思ったのは

真実を知っているからで

眠りたかったのは

目覚めの心地良さを知っているから

今の自分が嫌なのは

成長したがってる証拠だよ


その身体があるから君は

傷ついた人を癒したんだし

女だから悪いなんてこと絶対ない

信じた人に裏切られたのは残念だけど

次も同じように汚されるのを期待してまってる

みたいな言い方しちゃだめだ

自分を否定しちゃだめだ

君は信じたいんだよ

今度こそ信じて大丈夫だと

君の心の傷が癒えたことを

確信したいんだよ

それが ほんとなんだよ



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