歌う



指先で包丁の刃をたどる

すうっと赤い血がこぼれた

大丈夫

大丈夫よ

まだ生きてた


痛みを感じて

でもそれは指を切ったからじゃなくて

自分の中で何かが終わってしまっていることに

うっすらと気付いているから


今日も私は一人で歌う

誰の助けも借りずに

太陽に背をむけて

首筋を焼かれながら

それでも私は歌う


大丈夫

大丈夫よ

一人でも生きられる

だから歌うの




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