朝が来たの

だからまず音楽を選んで 流して

カフェオレを飲むの

それからノートとペン

夢で見た物語の断片を書きつけましょう


私は一人で歩いていた

あなたに嘘をついて

嫌われたと思って

泣きながら


あなたは夢の中で空気だった

ある時は私をやわらかい幸福で包み

ある時は私の呼吸を奪った

その容赦ない冷たさで



朝が来たの

また同じようなことを繰り返して

自分に呆れ返る

それからノートとペン

書き留めずにはいられないことを思い知る


私は両腕が翼の

不自由な生き物だった

翼の大きさに比べると肉体が重過ぎて

飛べない不自由な生き物だった


何が人を惹きつけ

何が人を傷つけるのかな

私は傷つけたくなくて

どれほどの人に飽きられてきたのだろう



朝が来たの

だけど起き上がれなくて

私はそのまま眠ることにした

もし起き上がれたら

あの特別な服をきて

玄関を出ようと

心に誓いながら




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