「春人くんの寝顔、かわいいですね」

　このまま、ずっーと見ていたいです。　　

　頭をナデナデしてあげたあと、

　春人くんのスマホを手に取ります。

「暗証番号は……425792」

　優秀な監視班が教えてくれました。

「ごめんなさい。でも、これも春人くんのためなのです」

　人のスマホを勝手に見るのは、良くないことです。

　わかっています。

　罪悪感があるけど……春人くんを守れるのはあたしだけです。

「【泥棒猫】の番号です。さ・く・じ・ょ」

　桜庭さんの番号とLineeを削除です。

「ブロックも忘れないように、と」

　泥棒猫から春人くんを守るためです。

「あっ……【クズ幼馴染】の番号がまだある」

　まだ消してないなんて。

「これも削除してブロックですね」

　春人くんは優しすぎるから、泥棒猫やクズ幼馴染につけ込まれるんです。

　あたしが影で害虫を【駆除】しないと。

「他にも虫(女)の連絡先は削除削除削除……」

　春人くんには、あたしの連絡先だけで十分ですよね。

「……こういうのが好きなんですね。春人くん」

　ブラウザの履歴を見てしまいました。

「メイドさんが好きなんですか……メイド服買わなくちゃ！」

　春人くんが喜んでくれるなら、どんなことでもしてあげたい——

「起きる前に……」

　ちゅっ……！

　春人くんの唇にキスです。

　で、スマホで撮影しておきます。

「これであたしたち、ずっと一緒ですね」

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