第42話 お疲れさま会(既成事実への布石

「ふう……これであとは夏休みか」


 期末テストが終わって家に帰る。


 ピコン!


 冬乃からlineeがめっちゃ来てるが、


 既読をつけず、削除……


 ブロックしとこ。


 ピンポーン!


「春人くん! お疲れさま会の準備できましたよ! 早く来てください!」

「え? もう?」


 【お疲れさま会】はもっと先の話かと思っていたが。


 俺は急いで準備して外に出る。


「ここです」

「と、隣の部屋?」

「えへへ……春人くんの隣に引っ越しました」

「い、いつの間に?」

「えーと……春人くんが【誰かさん】の部屋で逆膝枕をしていた頃——じゃなくて、昨日引っ越してきました」


 まったく気づかなったのが……


 忍者かよ。


「ふふ♡ これからお隣さん同士ですね!」


 ★


「す、すごいな……!」

「嬉しいです♡ 春人くんのために、頑張って作りました!」


 豪華なオードブルがテーブルに並ぶ。


 しかも俺の好物ばかりだ。


「さ、たくさん食べてくださいっ!」


 俺は亜美と食べ始めた。


「亜美は期末テストどうだった? できた?」

「うーんと……あんまりです」

「俺も。ライバー活動やってるしな」

「いいこと思いつきました。春人くんもあたしも、同じ事務所のライバーです。テストでいい点数取った方のいうことを聞くゲーム、しませんか?」

「いいかも」

「お勉強するモチベになりますし。じゃあ、期末テスト返却日に総合点で勝った方の言うことを【何でも】聞くことにしましょうっ!」


 何でも——を強調して言う亜美。


「ただし、えっちなお願いはなしですからね」

「そ、そうだよな」

「本当にダメですからね」



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