第41話 太田の後悔(陰キャのくせに……なぜだぁ!イケメンの俺がぁ! 太田視点

 冬乃と一緒に嘘告動画を投稿した太田は、冬乃と別れた後——【人生ハードモード】になっていた。


「クソっ……またフラれた……」


 イケメンの陽キャだった太田は、スクールカーストの頂点にいた。


 どんな女子も股を開く、選ばれし存在。


 陰キャたちの嫉妬と羨望を、一身に受ける男だった。


 だが、


 今は——


「俺の周りには……誰もいない……」


 太田の取り巻きの陽キャたちは、春人がバズった途端、手のひらをくるっと返した。


「冬乃を【損切り】したのに、どうして俺が嫌われるんだ……?」


 太田には理解できなかった。


 冬乃さえ切り捨てれば、自分はクラスの人気者でいられると思っていた。


 しかし、


 それは甘い考えであった。


「あの陰キャがバズったせいだ。あいつのせいで俺が嫌われる。クソっ……どうすれば?」


 春人を逆恨みした太田は、復讐を計画する。


「いいこと思いついた……あいつを炎上させればいい。アンチスレを立てて……」


 某巨大掲示板に【涼屋カエデ アンチスレ】を立てるも、書き込むものは1人もいない。


 カエデ(春人)の【信者】が圧倒的に多く、アンチがまったく集まらないのだ。


「あることないこと、ガンガン書いてやるわ」


 太田しか書き込まないスレに、


『オフパコやり捨ての常習犯』

『信者の女に貢がせてる』

『カエデのち●こ、小さいし臭いwww』


 太田は書き込みまくる。


「ひゃはははっ! スカッとするぅぅ!」


 ひとりパソコンの前で盛り上がる太田。


 しかし、


 これが、


 さらなる【人生ハードモード】の幕開けに。


 気づいた時には、もう遅い——


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