第28話 布面積、少なすぎな件

「どれがいいですか?」

「え、この中で?」


 俺の前には、


 2つの選択肢がある。


 白いビキニの水着か、スクール水着か。


(ていうか、なんでスクール水着が……?)


 スクール水着を選べば、俺は完全に【アレ】な男になってしまう。


 しかし一方で、


 ビキニを選ぶと……


 布面積が少なすぎて、別の方向でヤバい。


「あたしは春人くんの好みに合わせたいです♡」


(だからそれが困るんだって……!)


「……他の水着はどうかな?」


 もっと主張が激しくない水着を探す。


「あ、これなんてどう?」


 俺は水色の水着を取ってくる。


 布面積が多めで、無難なやつだ。


 スクール水着みたいに、特殊な趣味も感じない。


「これですか……まあ春人くんがいいなら……」


 むっーと、少し頬を膨らませる亜美。


 少し不満げな様子だ。


「春人くんのためなら裸でもいいのに……わかりました。これにします」

「うん。似合ってると思うよ」

「嬉しいです♡ じゃあ試着してきますね!」


 亜美は水着を持って試着室へ入った。


 しゅるしゅるしゅる……


 服を脱ぐ音が聞こえる。


「春人くん……お願いがあります」

「どうした?」

「ブラのホックが外せなくて……外してもらえませんか?」


 試着室のカーテンから、俺を手招きしている。


「頼みます……本当に外れなくて」


(誰も見てないよな……)


 俺は周囲を気にしながら、試着室に近づいた。


「入ってください」


 俺は試着室へ入る。


 上半身がブラひとつになった亜美。


 俺に白いきれいな背中を向けた。


 この状況、誰かに見られたらかなりヤバい。


 女の子と試着室で2人きり。


「ブラ……取ってください」



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