第8話 美少女ライバー、転校してくる

「春人、お前マジすげえよ!」


 朝、教室へ入った途端、親友の悠介が飛んできた。


「大手事務所の【ごじろくじ】からデビューって……ヤバすぎだろ。しかも男性ライバーでデビューは普通無理だって」

「そういうもんなのか……?」

「お前なあ……もうちょっと自覚しろよ。今やチャンネル登録者数20万人の人気ライバーなんだからな」


 事務所の社長がZtubeに俺の配信アカウントを作った。

 アカウント開設から3日で、チャンネル登録者数が20万人になった。

 俺はライバー業界のことをよく知らないが、社長曰く、かなりすごい数字らしい。


(実感全然ないけど……)


「Yのフォロワー数も、10万人ってエグいだろ。芸能人かよ」


 社長に無理やり作らせられた、つぶやきアプリYのアカウント。

 毎日のように他の事務所からスカウトのDMが来るし、コラボのオファーも追いきれないくらい来る。

 通知が来すぎてうるさいから、完全に通知をオフにしているぐらいだ。

 それに――


「なあ、ファンとオフパコとかないのかよ?」

「いやいや、そんなもんあるわけないだろ」

「嘘つけ!」


 ぐいぐい悠介にヘッドロックをされる俺。


「マジでそんなもんないって……」

「クソ! うらやましすぎるだろ!」


 俺は悠介に嘘をついた。

 実際は……女の子からDMが来まくっている。

 「会いたい」とか「二番目でいいから彼女になりたい」とか、いろいろだ。

 怖いから全部、丁重にお断りしている。


「はーい。みんな座ってー」


 担任の田中先生が教室に入ってきた。


「おはようございます。ホームルーム始まりますよー」


 田中先生がだるそうな声で言った。


「みなさんに転校生を紹介します。宮本亜美さんです」


(ミヤモトアミ……ま、まさか??)


 ガラガラ……!


 ゆっくりと、教室ドアが開いた。


「おい……あれって……」

「マジかよ」

「本物だ」


「宮本亜美です! 今日から秋月高校に通うことになりました! よろしくお願いします♡」


 嘘だろ……



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幼馴染に振られた俺、ダンジョンで配信中の姫騎士をオークから助けてバズる。大手ダンチューバー事務所からデビューが決まったけど、今更戻りたいと言われても無理です〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330664888832367


 

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