第21話
ーーーーー
美穂と修...
「修...私ね、住み込みで働いてるって言ったでしょ?
その住み込みの家が、友基の家なの...」
美穂は背を向けている修に話し始めた
修からの質問にも全部話した
最後の質問として修が
「美穂...俺が告白して付き合える可能性ってあるのかな」
と低いトーンで話してきたが
美穂はなんて言っていいか分からず
下を向いてしまった
その時遠くの方から廊下を走る音が聞こえてきた
だんだん音が近くなってくるのが分かった
走る音が大きくなってきた方向を見ると
見覚えのある姿が美穂の瞳に映った
ドクン...
ドクン...
なんだろう....
なんでだろう....
友基の姿かもって思ったら
ドキドキしてきちゃった...
来てくれるの
待ってたのかな...
...きっとわたし...すきなんだ....友基が...
自分の気持ちを確かめていたその時
修が美穂の手を握りその場から走り去ろうとしたが
美穂が修に話しかけた
「ごめん修...可能性ゼロに近いかも...」
その言葉に
「なるほどね...」
といい美穂を無理やり担いで
その場から走り去った
「修!?ちょっと降ろしてよ!」
美穂は修の背中を叩いたりしてみたが
降ろしてくれようとはしなかった
諦めて抵抗はやめた
その行動が友基には
告白を受けて了承した美穂が
その場から走り去って
彼氏彼女たちがすることを
楽しむんだろう等と勘違い放題に
なっていた...
「クソっ!なんで俺じゃダメなんだよ!」
がむしゃらに追いかけていたがだんだんと
速度も遅くなっていき
その場にひざまずいてしまった
「幼なじみには敵わないのかよ...」
ドタドタドタドタ!!!
それから間もなくして
慎也と昇が息を切らしてやって来た
ハァハァ...
「二人は!?」
「逃げられた」
「まじか...」
二人は何を言ってあげたらいいのか
声のかけ方がわからず
ただ立っていた
「俺帰るわ」
友基のあとを無言で二人がついていき
そのまま3人は学校後にした
ーーーーーー...
「修!もういい加減おろしてよ!
ってかさなんで逃げたの!?」
「だってムカツクじゃん!
俺は美穂のこと小さい時から知ってるのに
なんで急に出てきたアイツに
負けなきゃいけないの!?」
興奮した修は美穂に向けて話てきた
しかし美穂は自分の今の気持ちを
修に話した.....
「なんか分からないけど
さっき友基の姿かも!って思ったら
ドキドキしちゃったの...
告白されてから変に意識しちゃったのかもしれないけど」
「は!?あいつから告白されてたの?」
美穂はコクリと頷いた
「.....そっか」
修は美穂の頭を数回撫で
二人は教室へと戻った
教室に入ると
友基達の姿がないことに気づいた
美穂はさっき走ってくる友基の姿を
見ていたから、あの豪華な所に行ったのだろう
と思っていたから
そこまで気にも止めてなかった
帰りのHRも終わり
帰ろうとしたら
修から
「一緒に帰りたいんだけど...」
と言われたが美穂は
送迎車があることを教え
断った
送迎車に友基達が乗っていると思っていた
美穂だが、車内に3人の姿は無かった
「森さん?友基たちは?」
キョトンとした顔で
私を見てきた...
「友基様から聞いていないのですか?」
.....聞いてませんけど?
なんで??
胸がモヤモヤとイライラの感情が
混じっておかしくなりそうだった
「...........」
森さんは何かを察し
車を走らせた...
「美穂さま着きましたよ」
美穂は下を向いたままだ...
森さんの言葉も届いていないようで
森さんが数回
美穂の肩を叩き
車から降りた
「森さん...すみませんでした」
美穂の謝罪に驚いた森さんは
「美穂さま!こちらこそ何かすみません...」
すると急に美穂が笑いだした
「何か森さんって面白いですね」
??
森さんは軽く首を傾げたが
美穂は一言言って
家の中ヘ入って行った....
家の中に入り靴を脱いだ時
優美と真子が走ってきた
しかしそこには美穂だけしかおらず...
「美穂さん...皆様は?」
私その時
森さんだけが知っているんだなと思った
「私何も聞いてません...
帰りの車も私だけでした」
そういうと
二人はサッと居なくなった
私は自分の部屋へ行き着替え
洗濯、掃除を済ませ
食材の買い物へ向かった
献立を考えて歩いていたら
聞き覚えのある声が
美の耳に入ってきた...
??
昇の声に似てるような...
近くまで行ってみると
やっぱり昇だった
周りを見ると慎也と友基もいた
しかし、他にも女性の姿があった
その中の一人と美穂は目が合ってしまった
女は美穂を指差して何か言っている
ヤバい!と思った美穂は
走り去ろうとした時に男の人と
ぶつかってしまった
イテッ!
「いてーな。ってかオイ
見てみろよ!この女の格好
メイド服だぜー!?
この辺でコスプレしてる奴いるんだなぁ...ハハハハッ」
美穂はぶつかった時衝撃で道に座り込んでしまった
数人の男に囲まれた美穂
怖さで声が出なくなっていた
「どうする?」
「萌るわー」
「ヤれそう」
美穂に聞こえる言葉は全て最悪な言葉だった
「ねーちゃんよ?
謝るって言葉知らないのかい!?」
美穂は謝る事を忘れていたので
素直に謝ろうとしたとき
美穂の後ろにいた男が薬を染み込ませたハンカチで
美穂の口元に押し当てた
数秒後、美穂の意識は無くなり
そのまま男達に連れ去られた
「チョロいっすね!」
「楽しみだな!」
「早くー早くー」
ーーーーーーーーーー....
「何かさっきからこっち見てくるメイド服着た女居たんだけど、コスプレでもしてたのかな?ハハハハッ」
女たちは馬鹿にしたように言っていたが
3人には何故か美穂だろうという
直感が働いた
慌ててどっちに行ったか聞き出し
追いかけた
「そんなにメイド服がいいわけ!?
それなら私もコスプレしてみようかなー」ハハハ
「顔イケメンなのに変わった趣味だねー
帰ろう帰ろう!!」
何も知らない女たちは
コスプレ話で盛り上がりながら消えて行った
「あいつらウソ言ってないだろうな?
絶対、美穂だろ!!」
3人は同じことを思いながら
勝手に身体が動いて探し回っているが
なかなかメイド服を着たという女に
たどり着かない...
昇が美穂の電話番号にかけたが繋がらない
「ダメだ出ないや。そうだGPS機能は?」
昇が提案を出したが
「あいつの電話はそんな機能ついてない
電話の機能だけだ...」
そう言って友基が教えてくれた
「新しいの勝ってやればよかったな...」
友基は悔やんでいた...
その時
3人の前を通りかかった
カップルが
「あの子大丈夫かな?
ヤバそうな集団に担がれてたけど」
「確かに変だよね?
メイド服でしかも、寝てたのかな?担がれてたけど
目瞑ってたよねー」
その会話を聞き逃さなかった友基は
カップルのところへ行き
色々聞き出した...
話を聞いているうちに
友基の顔色がどんどん悪くなっていることに
昇が気付き、カップルに礼をし
家に帰って来てるかもしれないということで
真子に電話をした
しかし、美穂は買い物にでかけたまま
まだ帰っていないようだ
しかも美穂の部屋を見てもらったら
電話は置きっぱなし
メイド服が無かった...
カップルの言っていたメイド服の
若い子が美穂だということが
明らかになっていった
「友基...連れ去られたのは
美穂で間違いないかもしれない...」
友基はガクガク震えだした
二人は慌てて友基背中をさすった
「とりあえず落ち着こう!」
もちろん友基は冷静になれず...
俺はどうしたらいい?
でもアイツは緑山の彼女になったし
俺は別に...
「ああぁ”ーッ」
考え込んでいる友基を目の前にした二人は
友基の美穂への気持ちがどれだけ大きいものなのか
分かった...
それと同時に二人は
美穂に対しての感情を心の片隅にしまい込んだ
あらゆる手段で
美穂のことを徹底的に捜索してもらった
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