第19話

「たけるー!ごめんねーお待たせッ!!」


息を切らしながら待ちあわせ場所へ到着した美穂

たけるの側へ行こうとしたとき

男の人がたけるの横に座っていた


「ねーちゃんッッ!」


「よ!美穂!!

久しぶりだなっ!」


誰!?

名前呼んだし...

久しぶり...ってことは

私は知ってるんだ...?

確かに見たことはあるよーな...

目を細めてガン見してみる美穂...

「忘れたのか!?俺のこと」



「はい。いや...

....!?もしかして!!緑山 修!?

ごめん!だって小さい時に引っ越ししたでしょ?」

そう、彼は私の幼なじみ...

修とはよく遊んでいたけど小学生の頃

引っ越しで転校しちゃったっきり...


「親父の転勤で仕方なかったんだよ...」


確かに...

「でもさ、今なんでここにいるの?」


そんな真顔で言うなよな...

「お前んちに行って美穂に会おうとしたら

いなかったんだよ。たけるが美穂と今日会うっていうからついてきた!」



会いに!?

なんでだ??

てかよく見ると

イケメンになってない!?

あの頃とは違う感じ...

「て、てか会いに来たとか

訳分からないんですけど...」


美穂変わったなぁー

彼氏いそうだな...

いてもおかしくないか...

「俺お前と同じ高校に入学したから!

手続き遅れて明日から登校!だから...」



「ちょっと待って!

私...今ワケアリで、桃響高校に通ってるの...」


「まじかよ!

情報違いかよ...でもなんで美穂が桃響なんだよ!」


なんでって言われてもなぁ...

「.....」


「言えねぇのか!?」



うーん....

幼なじみだし

いっか...


「今、住み込みで働いてて...ーーーーーー...」

全部修に打ち明けた...



「住み込み!?親父さんとか皆、賛成だったのか?

そんな通いながら働くだなんて」


「家族は賛成してくれたよ。だって...

家の事情だし...」


修は納得せざる終えなかった

「ちくしょー!俺がもっと早く美穂に会いに来てれば!」


???

????

ポカーン...




「俺も明日からは桃響にする」

といいどこかへ電話をかけだしだ



「あ、親父?

俺明日から桃響高校に行けるように

手続きしてくれないか...あぁ...

必ず美穂と同じクラスで!!」



!?

こんな入学の仕方あるの?

てか修のお父さん

どんなヒト!?

私の知らない間に

修達ってはどんな家族になってしまったの!?



「ってなわけで、明日からは...」


「ちょ。質問したいことだらけなんですけど...?」



美穂めっちゃ驚いてるな...ハハッ


「質問ッ!さっきの電話...

何でサササっと手続き出来ちゃうの?

お父さん何者!?」


「美穂?...緑山製菓って知ってるか?」


....

.....

......

相変わらず情報知らないんだなぁ...



「知らない...けど、修の苗字が入ってる...

ってことは!修のお父さん会社作ったの!?」



「5年前に会社起業して、2年前に軌道に乗り始めて

成功したんだよ...この話、一応有名なんだけどなぁ...」



ごめんね...

ホントそういうの見ないからなぁー

「ホントごめんね知らなくて...

たけるは?覚えてた!?修の事...」


「正直あんまり覚えて無かったけど

修さんから色々聞いてたら

なんとなーく覚えてるかも...って所はあったかな」


そっかそっか...

ってかそろそろ帰らなきゃ!

買い物しなきゃ行けないし...

「修ッ!じゃあ私この辺で!!

たける!ハイッこれ!じゃあね!バイバイッ」


たけるにお金を渡し

走ってその場から去った


「ねーちゃん!」



「あ、美穂!!!」


そのまま美穂は

買い物を済ませて家に帰った

慌てていた美穂は

手首のブレスレットを無くしていることに

気付かずに夕食の準備をしていた


今日走ってばっかり...

筋肉痛になりそう


ご飯も作り2人を呼びに行こうと歩いていたら

今日の出来事を思い出してしまった


....//////////

何で今思いだすのよ!!

「もうッ!」


美穂の声は想像以上に

大きかったようで

昇と慎也がやって来た

「どうしたの?」


「随分大きな声で...」



!?そんなに大きかった?

でも呼びに行く手間省けたから

いっか!!

「すみません...」



「もしかして美穂ちゃん...

今日の事を思い出してたとか??」


え/////何で分かるの!?


昇がさり気なく言った言葉に

美穂は反応してみるみる顔が

赤くなってしまった...


「図星!?」ハハハ


二人にからかわれながら

歩いていた美穂達を友基は

たまたま目撃してしまった


ズキンッ...

「アイツらみたく俺も仲良くしたいな」

本音が溢れた友基

その横には優美の姿も...


「友基さま!何かあったら何時でも相談してくださいね!」

しかし

友基の耳には届かなかった

「恋って凄いですわ!!!

改めて友基さまを見て思います!!」



さっきから優美は何を

ぎゃあぎゃあ言ってるんだ!?

部屋に戻って仕事しなきゃな...


友基は部屋へと戻っていった....



ーーーーーー....

「あれ!?美穂ちゃんブレスレット外したの?」


慎也から言われた美穂は

毎日つけてるのに何でだろう...と思い

自分の手首を見てみると

「うぎゃ!無い!!!ごめんなさい...なくしたかも...

朝はついてたんだけど...」


「また買えばいいじゃん!!」

....お金持ちのセリフですよー

私は言えません...



「今度またデート行ったときに買おうよ!」



昇がくいついた

「デート!?慎也と美穂って

デートした仲なの??羨ましいなぁー

今度僕ともデートしてよ!」


「...../////」

そんな話をしながら食べ終わり

二人はそれぞれ戻り、美穂は後片付けをしていた


「よし!片付けるか!!」

それにしてもブレスレット何処で

失くしちゃったんだろう...



片付けも終わりエプロンを外しかけた時

聞き覚えのある声で呼ばれた

「美穂...コーヒーもらえるか?」


そこには友基の姿があった

「えーあーコーヒーね...ちょっと待ってて...」



落ち着け私!

深呼吸...深呼吸...

相手は普通なんだし...

フゥー...





「わ、悪いな頼んで...」

ドクンドクン...

落ち着くんだ

俺らしくないぞ!





(お互いですか?)



「はいコーヒー...優美さんに頼めば良かったのにー

ビックリしたよー...次からは優美さんに頼んでね...」


チクッ...

なんだよ

そんな言葉を言ってきやがって


ガシャーン!!!






「..ちょ.....イタッ!!」


「お前は俺の気持ち知ってて、そんな言葉を言ってきてるのか!?だから、俺は....」


「友基さま!?大丈夫ですか??」


大きな声と食器が割れる音を聞いた真子が

キッチンの奥から出てきた


「...真子...さん」


「美穂さん!何やってるの!?

早く手伝いなさい!!!」



私..何で...

「はい...」



「友基さまがお怪我したら大変でしょう!まぁ!!

大変!友基さま顔から血が...破片が飛んだのですね...

優美さん!優美さぁーん!」



真子に呼ばれた優美は

友基の手当ての為部屋に

友基を連れて行った...


その後真子に長い時間説教された美穂

友基が怒って食器割った時に

実は美穂も首元に怪我をしていた...



説教も終わり

部屋に戻ろうとした時に

昇とすれ違った

「!?美穂?血がでてる!!どした!?」


「いや、ちょっと友基と....」



「なんだって!?

俺が言ってやる!!美穂を傷つけやがって!」



「イヤいいの!!」



美穂は昇がホントに友基のところへ行こうと

してたため、腕を掴んだ

ホントに嫌がってるように見えたため

昇は

「分かったよ、行かない。そのかわり

僕に首元を手当てさせて...」

と言って救急箱を取りに行った...


美穂はコクリと頷いた



昇は救急箱を取りに行ったが無かった

真子に聞くと、優美が持って行ったと言ったので

昇は友基の部屋に取りに行った



コンコン...


ノックをし部屋へ入って行った昇

その姿をみた優美はビックリした

「昇さま!」


友基が手当てされているのをみて

ますます美穂となにがあったのか

気になってしまった



「友基!美穂となにあったんだよ!」



昇の口から出た言葉に

友基は何も言い返さなかった

「......」



「友基さま、手当て終わりました。私はこの救急箱を戻してまいります...」

優美がその場に立ったとき


「それ、僕借りにきたから頂戴。友基!

何があったか知らないが、美穂も首元から血が出て

怪我してる。お前は知らないのか!?僕が手当てしてあげるから...」


といい昇は出ていった...



優美は気まずい空気に耐えれず

「何かあったら呼んでくださいね」

といい自分の部屋へ行った...



友基は美穂が怪我をしてるとは

昇が言うまで知らなかった

「俺、何やってんだよ...」

首元?

昇が手当て?


....キュウ...

ダメだ...


友基はそのまま

ベッドに倒れ込んだ





美穂は昇に手当てをしてもらっていた

「ありがとう...昇って優しいね!!」



フフッ「美穂だけにかもね!」



!?/////

「やめてよ!!」



傷の手当てした場所に

優しくキスをした...

「早く治るようにおまじないだよ!」




「///////////////ありがと!おやすみ!!」


美穂は恥ずかしくなって

自分の部屋に駆け込んだ...


ポーっとしながら

そのままベッドに倒れ込み

朝まで寝てしまった....







ーーーーーーー

次の日...



「美....ん!....美...さん!」


もう美穂さんったら!

何で私が起こさなきゃいけないの!?


今、真子は時間になっても起きてこない

美穂を起こしている

「美穂さん!」


「ん...んんーっ!今、何時...!真子さん!?」


美穂がやっと起きた

しかし、真子の姿も美穂の視界に入っている

「美穂さん!今何時だと思ってるの?

制服で寝たらシワになるでしょ!?

二度寝なんかして!!」

真子が興奮気味に美穂に叫ぶ



「真子さん...私、二度寝してないです...

制服来たまま寝てしまいました...」アハハ...


それからまた

説教が始まった...


ガミガミガミガミ....

「......」



「真子さん...そろそろ登校時間だから

美穂ちゃんを解放してあげてくれるかな?」

二人の話を遮るかのように

慎也が部屋へと入ってきた

「慎也さま!はい...わかりました」



へぇー

真子さんはやっぱり

説教してても慎也とかには

逆らえないんだねーラッキー!

「ごめんね寝坊しちゃった!

ご飯とか...」


「真子さんが全部やってくれたから

大丈夫だよ!!」


アチャー

「真子さん、すみません」



「今度から気をつけてください」

そう言い残し真子は部屋から出ていった


私は準備をして慎也と部屋を出た



「お、美穂おはよ!

朝から真子に怒られてたみたいだな」アハハ


昇知ってたの?

あぁ、隣部屋みたいなもんだから

聞こえてるか...

「ホントごめんね...明日から気をつける...」



冗談風に言ったつもりが

真に受けちゃった...

でも、その表情も可愛いからいっか...


ナデナデ

昇は美穂の頭を撫でた




許してくれたのかな?

「ありがとう!昇っ!!」




///////////////

何でありがとう??

昇は戸惑いながらも

美穂の笑顔に見惚れていた


それを見ていた昇は

「あ、昇!顔赤いぞ!?

どうしたんだ?タコみたいだ!!」



....マジ?

「っるせーよ!」


するとそこへ

友基がやって来た


「よ!友基おはよー」


「お!友基...顔どうしたんだ?」

傷の事を知らない慎也はビックリしていた


すると友基は美穂を指差し

「コイツにやられた」

と言ってきた


すかさず昇は美穂の横に行き

友基に美穂の首元を見せて

「この傷は友基がやった、そして俺が

手当てをしたんだ!!このキズには俺からのおまじない付きだ!!」

ドヤ顔しながら友基に言ったやった


おまじない!?

何かしたのか??

あの夜、また何か....

チクッ...

あぁー

クソ!!

友基はイライラしムスッとしている


慎也はあたふたしている

「二人で怪我!?何があったの??」


友基は美穂を見ながら

「お前が悪い!!」

お前が一言多いからだよ!!


「なんでよ!!」


そんなやり取りをしていたら

森さんがきて

「遅刻しますよ乗ってください」

車の扉の前で待っている


森さんのナイスアシストで

4人は車に乗り込み学校へ向かった



そんな美穂にまた...

そう、修の存在....

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