第16話

美穂は色々考えながら歩いていたら

あっという間に家に着いた...



ガチャ...

「ただいまぁーって言ったって

自分の家じゃないもんね...」


「オイ!お前っ!!!」



声がする方を見ると

友基がスーツ姿で立っていた


美穂はビックリした

いないと思っていたから...

「いたの!?ビックリしたぁー

今日仕事なんでしょ?これから行くの??」



...?

なんでコイツが俺の言ってない

スケジュール知ってるんだ?

「ハヤメニ切り上げる事が出来たから

今、帰って来たんだ。それよりお前...

なんで制服姿なんだ?その格好で買い物行ってたのか?」



....あ、あぁ...

そうでした...アハハ...


その時タイミングよく

美穂の電話が鳴った


♫~

ッ!ナイス!!

「あ、鳴ってるー!ごめんね友基!あとでね!!!」


ダッシュで美穂はその場を去った...


「あ、おい!...ったく/////でも制服似合ってたな/////」

友基らしくない褒め言葉?を

偶然優美が耳にしてしまった...


「友基さまって...あんな事言う人だったかしら...

もしかしてっ!!」

優美はなんとなく

友基の美穂に対しての気持ちを気付いたようだ...

しかし、友基本人は

その気持ちに、まだ気付いていない...





ーーーーーーーーーーーー

キッチンにて...


「はい。たけるどうしたの?なにかあった?」

電話の声は美穂の弟

たけるだった...

「一応報告しておこうかなって...

父ちゃんはまだ仕事見つかっていないんだ...

でも、母ちゃんはパートだけど仕事が決まったみたい...」



「とりあえず一歩前進だね!

なんか暗い声に聞こえたから最悪なこと

想像しちゃったよー!心配させな...」


たけるは美穂会話遮るように

会話を続けた

「それでね...母ちゃんの給料出るまで

生活が苦しくて...俺も学校で使うものも

買いたいんだ...だから...

ねーちゃん...お願いできないかな?」


「...たける、そんなに苦しんでたんだね。

なんとかする!必ずなんとかするから!!

用意できたら連絡するから!!!じゃ」

と言って美穂は電話を切った


私も働いたばかりだしな...

給料前借りできるかな?

もしだめなら普通に借りて返せばいいよね!!

とりあえず夕食作ってから

友基に相談してみよう...



「真子さーん!エプロン見ませんでしたかぁ?」


「冷蔵庫の横に掛かってるわよー!」


キョロキョロ

「あ、ありましたぁーーー!」

美穂はいつもより早めに

夕食を作り始めた...



「よし!できたぁ!後は二人を呼んで

友基のところに行くか...」

美穂は昇と慎也の部屋へ行き

夕食が出来たことを伝えようとしたが

慎也だけが部屋に居なかった...


「あれ?慎也はまだ学校??」


...さてと

雇い主のところへ行きますかっ!

頑張れわたし!!



深呼吸をして

友基の部屋の扉をノックした



コンコン...


扉が開くとそこには優美がいた

「あら美穂さん...何か用かしら?

友基さまは今お食事中ですので...」


すると奥の方から友基の声がした

「優美どうしたんだ?」


「美穂さんがいらしたのですが

只今お食事中なので、お断りしようかと思っ...」

優美が話し切る前に

奥から走ってきた友基

「どうしたんだ?」


...えー

優美さんいる前で言うの!?

嫌だなぁ...

「..........」モジモジ



さっさと言えばいいじゃねーか。

...優美が居るからか?

仕方ねぇな

「おい優美。ちょっと悪いが二人で

話をさせてもらえるか?」



友基!ナイスぅ!!

わかってるじゃぁん!

「すみません優美さん...」



「いえ...それでは私は一旦失礼します」

優美は友基の指示従った



「奥来いよ...ソファーに座って話でも聞いてやる」


友基の後をついていく美穂は

少し緊張していた

なんて言われるか分からないからだ...


奥へ進みソファーに腰掛けようとした時

友基が食べていた夕食が見えた...

凄い豪華...これが普通なの??

私ヤバい...オムライスだよ...

「ごめんね友基...こういうご飯作れなくて...」アハハ


「別に食べれれば何でも同じだ。

それでどうしたんだ??」



「あの...実は...給料を

給料日より早く頂きたいのですが...出来ますか?」

その瞬間友基はビックリした

なぜなら今までのメイドの中で

言ってきた事がない内容だったからだ。


「働いて何日たった?先にはやれないが

貸してやる...理由を言え...」


ですよね...

私は友基に弟から電話があったことと

内容を全て伝えた...

そしたら友基は

承諾してくれてそのままお金も借りれた

「仕方ないな。理由が理由だからな...

50万でいいか?」



....!?

ご、ごじゅうまん!?

金額の規模のでかさよ!!

「じ、じゃあ8万円!!」



8万!?

こいつらはこの金額で生活出来るのか?

「ほら8万...」

友基は財布の中から8万円を出して

美穂に渡した...

その時友基は、美穂の手首についていたブレスレットに

目がいった...


そんな見られてるなんて気づいていない美穂は

「ありがとう!必ず返すから!!

....ちょっと!貸してくれるんでしょう!?

お金から手離してよー...」



「そのブレスレット...

お前が自分で買ったのか??」



「へ!?

い、いや...買って...ないです」

なんで今ブレスレットの事聞いてくるのー!?

関係ないじゃん!!


「買えるわけないよな?今こうやって

お金借りてきてるお前が...」



「...私は買えないけど...」



「買って貰ったのか?...」



コンコン

ガチャ...


「友基ー!」

慎也が友基の部屋に入って来た


なんで今入って来るんだよ!!

今聞きたい事があったのに

「生徒会のプリント類持ってきた...

あれ!?美穂ちゃんは何でここにいるの?」


「あ...私行くね!

じゃあね!慎也。ありがとう友基!」


「あ、おい!まだ話...」

美穂は走って友基の部屋から

出ていってしまった...



「友基、プリント類ここに置くから!

あ、あと今日友基の会社に行ってきたわー...

宝石店の方ねー」



「!!....何でだ!」



友基なんか怒っているのか?

顔が怒ってるような...

「えー...ブレスレット買ったから...」

慎也から聞いた言葉に

友基はまたチクッと

胸が苦しくなった...



「まさか...アイツがしてたブレスレットって...」


「あぁ...美穂ちゃんに買ってあげたんだよ

制服デートに付き合ってもらっちゃったから

お礼としてねー...」



友基は美穂本人に聞きたかった事が

慎也の言葉によって

パズルのように揃っていった...



.......

...........


「制服デート?ってことは

お前ら二人は付き合ってるのか!?」

....!!

友基は自分でもビックリしてしまった

口が勝手に慎也に質問していた...

俺、何聞いてんだ!?



「付き合ってないよ?」


それを聞いた瞬間

ホッとする友基...

なんなんだ?

この感情は...

「プリント類、ありがとな...」



「あぁ...

じゃあ腹減ったから行くわ!

よし!美穂ちゃんの作ったご飯ーーーー!

じゃあね友基!!」

そう言いながら

慎也は友基の部屋から出ていった...



チクッ...

「...................」





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