第13話

次の日...



「...ん...あれ?この部屋はどこ??私の部屋じゃない...」



美穂は目が覚め辺りを見渡していたとき

部屋の扉が開いた



ガチャ




「山神さん...やっと目が覚めたかい?昨日はずっと部屋にいたんだよ?」


扉を開けて入ってきたのは昇だった

意識を失ってから目が覚めるまで昇のベットを

美穂が占領していた...


昇の言葉を耳にし

記憶をたどってみた美穂...

思い出したのか

だんだん顔が怖くなり

美穂の手が握りこぶしになっていた...

「私、友基に叩かれたんだ!ムカツク!...あ、でもどうして昇さまの部屋にいるんですか??」



「君が可愛いから、僕の部屋に連れて来たんだよ」



昇の言葉に美穂は固まってしまった...

美穂の反応に微笑んで楽しんでいた

しかし美穂はみるみる顔が赤くなっていき


「/////...それホントですか!?」


「ウソに決まってるじゃん」



...うそ?

へ?

照れた私がバカみたいじゃーん!!

でも、私は昇さまの部屋にいるってことは

確かなんだよね??

うーん...?



困った顔をしている美穂をみて

昇は更に楽しくなってきていたが

本当のことを教えてあげた

「昨日山神さんが友基に叩かれて

倒れた瞬間に意識失ったんだよ。

更に友基が殴りかかろうとしていて

慌てて山神さんのところへ駆け寄ったんだ。

意識失ってたから僕の部屋で休ませてあげようと

連れて来たんだけど、ここまで目が覚めないとは

予想外だったよ...」



そーだったんだぁ...

昇さまが助けてくれなかったら

私どうなってたんだろ...怖ッ!

優しい昇さまで良かったぁー!

....ん?でも待てよ??

聞きたいこと2つある!

「昇さま!昨日はどこで寝られたんですか?

私がベッド占領してたから...」


「僕のベッドだからそこで寝たよ??

山神さんの隣で小さく」




...小さく??

ってことは知らず知らずに

私は男の人と寝たのねーーーー!!!/////

「この話はホントですか!?」


またウソをつかれると思い

昇に聞いたが、この話はホントだった...

「本当だよ!?ただ山神さんが真ん中で寝てたから

占領って言ったんだよ?」




「寝相悪くてすみませんね...

あのぉ私が目が覚める前何処へ行かれてたのですか?」


昇は気まずそうに

「あぁ...見送りに言ってたよ...

起こしてあげようとしたけど、気持ちよく

寝ていたから...」



もしかして

2つ目の聞きたいこと?

「見送りって!」


「志乃と光だよ...」


聞いた瞬間美穂の目から

涙が溢れた

「また私のせいでぇ...」


自分のせいでまた人が

解雇にされてしまったことに

美穂は悲しくなり

昇の前で泣いてしまった


急に泣き出した美穂を前にして

昇は戸惑ってしまったが

美穂のいるベッドに行き

隣に座り優しくそっと

美穂を抱きしめ

「泣きたいだけ...泣いていいよ」

と耳元で囁いた


昇の言葉に甘えるような形で

美穂は昇の腕の中で泣き続けた



それから1時間がたった頃

涙が止まり落ち着いてきた美穂...

「.....昇さま、すみませんでした

私、たくさん泣いちゃって...」


といった瞬間包み込まれていた腕の強さが

強くなり美穂は驚いた

「昇さま!?

痛いです...離してください...」


しかし昇は離そうとはしなかった

「...もう少しこのまま...」



昇さまどうしたのかな?

でも私も慰めてもらったし

このくらいいっか...


そう思った美穂は

昇をぎゅっと抱きしめてあげた...






その時...

昇の部屋の扉が開いた


しかし美穂はそのことに

気付いていなかった...




!!...「オイ。なんだそれは!?俺を馬鹿にしてるのか?何故ベッドの上で抱きしめあってるんだ??」




聞き覚えのある声...

だんだん声が近くなってくる

声がする方へ顔を向けると

そこにいたのは友基だった...

「心配して見に来てみたら、いちゃつきやがって!

お前は誰でもだけるのか!?」


「あの..これは違うの!!」

美穂が言い訳をしようとするが

友基の耳には届かない

怒った友基は

「昇!お前の専属と俺の専属交換だ!」

と言い出した

昇は笑顔で

「本当!?嬉しいなぁー

ありがとう友基!」と

喜んだ様子だった



...こんなカンタンに交換...でも優美さんが...


優美が昇の部屋へ入ってきた

「あ、美穂さんお目覚めになられたのですね...

友基さまもいらしていたのですね...もしかして美穂さんをお迎えに...」


「優美!今日からお前が俺の専属だ。

今から俺の部屋へ来い」



.....優美は動揺した様子だった

しかし、友基命令には逆らえない

優美は悲しい表情になったのも

美穂は見ていた...

美穂がまた泣き出してしまった

今度は三人の前で

「なんでぇー?私...なんにもしてないのにぃー」



急に泣き出した美穂を見た友基は

身体が勝手に美穂の元へと近づいて行こうとしていたが

美穂の横には昇が居たため

すぐ美穂を慰めていたので近づけなかった

「泣きすぎだよ?またそんなに泣いたら

目が腫れれちゃうよ...」


....また??

俺の前ではあんな泣き方したことないのに...

目の前の光景が凄く腹立っているはずなのに

俺は胸が急に苦しくなった

なんだ??この苦しみは...

怒鳴ったからか?




そんなことを思いながら

友基は昇の部屋をあとにした...


優美も友基のあとを付いて行くように

部屋から出ていった....





その頃慎也の世話は

真子がほとんどやっていた

昇の部屋で専属交換が行われていたとは知らずに...


「美穂ちゃん大丈夫かなぁー」

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