第11話

家にたどり着くまで

二人は何故かしりとりで

盛り上がっていた...



久しぶりに

こんなにしりとりしたぁー...

あ、着いた着いた!


美穂を先頭に扉を開けた




ガチャ...ーーーーー


「ただいまぁー...!!!!!げっ」


美穂が急に立ち止まった勢いで

後ろから来ていた慎也が美穂にぶつかった


「!?ドンッ

美穂ちゃんどうしたの?急に立ち止まって...

お!友基じゃん!!」



「............」ムッ




急に立ち止まったのは...

友基が仁王立ちして腕を組んでいたのを

見てしまったからだ...

友基の表情はあきらかに

怒っている表情だった...


美穂は友基が怒っているのを

察知していた

「.....い、いま帰りましたぁ...」


靴を脱ぎ

足早に友基の横を過ぎ去ろうとしたときだった


「お前、今何時だと思ってる!?」



え...今?

美穂は時計を見ると

時刻は18:15を指していた...

「あ...今すぐ夕食の支度します!!

...じゃあね慎也!今日は買い物一緒に行ってくれて

ありがと!!!」



スタスタ...

そう言い残すと

美穂は足早にその場から去っていった




「お、おう!/////」

慎也も美穂に向けて返事をしながら

自分の部屋へと向かった





そして、友基だけが玄関に一人....

二人の会話のやり取りに

苛立っていた



慎也だとぉ!?

外で何があったんだ??

....なんかイライラするなぁ

何でイライラしてんだ俺...

.....

.........わかんない....

とりあえず

部屋もどるか...




友基も

自分の感情がわからない人物である

本気で人を好きになったことがないのだ...






コンコン...

「友基、ちょっと話があるんだ。。。」

慎也が友基の部屋のドアをノックした




「おぉ...入っていいぞ」

友基の返答とともに、慎也は

扉を開けて友基のところへ向かった





「友基...美穂ちゃんから話聞いたよ

ここで働いてる理由を...

金額、随分大金過ぎないか??」




少しムスッとしながら

「俺が決めたことなんだ!慎也に口を挟まれることなんてないはずだ...」




「俺が...

1000万払うから 美穂ちゃんを

俺だけの専属にしてくれないか?」



慎也の言葉に

驚きを隠せない友基...

「ダメだ!絶対ッ。絶対に...」




慎也は友基が断る事に

納得がいかない様子...

「何でだよ!

1000万払ってもらう為に働かせてるんだろう?

それなら、俺の提案に乗ってくれよッ!」



「ダメったらだめだ。

...専属ほしいなら他にいるだろ?」





何で友基はここまで....折れないんだ?

「俺...美穂ちゃん以外いらない!」






......

........

..........

二人の沈黙が続いた


結局解決出来ないまま

夕食を作り終えた美穂が

部屋へやってきた




ガチャ...ーーー




「どうしたの?二人共...深刻そうな顔してー

あ、慎也の部屋わからないから、先に友基さまの部屋に来たけど、丁度良かったぁー!1回で済んだぁー...

今日の夕食オムライス作ったよ!慎也の分もちゃんと作ったか.....ーーー」


「オイッ!

お前はなんでさっきから慎也って名前で

呼んでるんだ!?」





.....

「え...?

だって...今度から名前で呼んでって言われたからだけど...ちょっと恥ずかしいけど、今は二人の専属だし...」



重い空気の中

口を開いた友基は

美穂の返答にムッとした表情をした...

逆に慎也は嬉しそうにはにかんだ...



「決めた!

お前今度から俺のこと”様”付けなくていいぞ!

友基と呼べ!!そして、1000万払わなくていい。」







へ!?

なんですか??

この展開....

「ちょっと待ってよ!

私働かないと...家族の生活費がぁ!

1000万払わなくていいのは嬉しいけど

給料もらえないのはもっと困ります!!」




友基はスッと美穂の前に立ち

「ただし、条件がある

お前が今日から返済額関係なく

俺と慎也を世話し続けること。

これが条件だ」



....

1000万払ってバイバイッ!

じゃなく、永遠ってこと!?

....

......

........

えー...


「給料的なのは発生するの??」


「やる」




今確かにお金は必要...

仕送りしてあげなきゃいけないしなぁ...

よしッ!

「私、やりますっ!!!」




友基はその場で美穂の返答にうなずいた



「やったーーー美穂ちゃんと一緒だァァ!

でも、俺だけじゃないのが引っかかる...」



なんとなく二人の表情が

さっきの雰囲気より柔らかく見えた



「とりあえず下行ってご飯行こう?

せっかく作ったんだからぁー冷めちゃうよー!!」




三人はそれぞれ部屋から出て

下へと向かい美穂の作った

オムライスを食べ始めた...


美穂は作り慣れている自分の味に満足しながら

食べていた



「我ながらウマイ!!」モグモグ...


「.....不味くはない...」モグモグ...


「美穂ちゃんの手料理~☆」モグモグ...



そんな事を言いながら

三人は夕食を食べ終えた...



ハァ~

明日から大変になりそう...

でも、やらなきゃ!!


頑張れ自分ッッ!!!




....

三人は知らなかった...

その時の話を誰かに聞かれていたとは...






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