第2話

「ハァ...ハァ...ハァ...ハァ...

良子...大丈夫??」




「み、美穂ぉーーーーッッッ!!」




良子は、私を見た瞬間 安心したのか

子供のように泣き出した。



よしよし。。。

怖かったね。。。といいながら

頭をポンポンしてあげた。




「怪我ない?もう!どうしたの!?

びっくりしたんだよー??」




すると良子が説明し始めた。。。


「うんとね。。。

私が歩いていたら、目の前から

自転車に乗った人が来たから危ない

と思って横に避けたら、縁石につまづいちゃってさ。。。


そのまま道路に出ちゃったの。。。

その時には車が後ろから来てた

ことに気づかなくて。。。そしたら

車が私を避けようとして電柱に突っ込んじゃって。

それを見てビックリしてその場に座り込んじゃったの。。。」




「そっか。でも 生きてて良かったーーーー!」



「ちょっと足痛いけどね。大丈夫!」





ちょっと我慢してそうな 

ぎこちない笑顔を作り、私を見て言ってきたのが切なくて

更に、一安心した私は泣きながら抱きしめた



「立てる?歩けるならマッ○行こ??」




立ち上がった瞬間 私は肩を叩かれた。。。


「オイ!逃げるのか?」





ん??

逃げる??






「へ???逃げるってナンデスカ?」






すると男は車を指差し



「この車どうしてくれるんだよ!!」






えー。。。ものすごく怒ってるし

でも、こっちが悪いの??弁償??

お金無いよ。。。うちら学生だし。。。





「あの。。。どうしたらいいですか?」


「弁償だな。」



キリッとした目で

こっちを見るんじゃねーこのぉ!!






何を思ったか私は


「ふざけるなー!そんな大金無いし。

そっちがブレーキ踏めば

大したことなかったんじゃないの?」





はいー。逆ギレです。。。





「テメェ!誰に向かって言ってるんだ!?」





は?誰って。。。

この人大丈夫??



「アナタですよ!!目の前にいるアナタに!」







言い終わった瞬間

男の口元がニヤリとしたように見えた


「随分威勢のいい女だな。。。ま、いい

後ろの女に弁償させようと思ったが、お前が代わりに

この車の修理代を支払ってもらう!!!」









え。。。

嘘でしょ。。。。なんで??








「だーかーらー!そんな修理代出せるような

者ではありませんから!!!...では...失礼します!」




一礼をし立ち去ろうとしたが

やっぱり無理でしたーーーー。




「うるせぇ。俺の言う通りにしろ。

明日からお前は俺の家で働け。給料はちゃんとやる。

だからその給料で修理代を支払え!...いいな?」







は? え? 俺の家???





「は?なんで?


私、明日は卒業式だから無理だし。勝手に決められても困るし。


てかその前にアンタの事知らないし。。。行く必要なくない?」






「...知らない..か...

いーか?明日迎えに行くからな!」





え。聞こえなかったの?この人。

私、行かないって。。。。





バタンッッ

ブーン。。。。



??なんだ??

代車?かな???違う車に乗って

行っちゃったよ。。。


えー。ホントに私が払うの??

高いのかな?

嫌だなー...


ん?でも待てよ??


私、あの人知らないし

あの人も私のこと知らない。


ってことは?

明日迎えになんて来れないじゃーん!!

馬鹿だあいつ!!

イエーイ!!




「美穂ごめんね...何か庇ってもらっちゃって。

明日私があの人と会うよ!

元はと言えば私がやってしまったことだし。。。」




うーん。。。

確かに私ではない。


けど、さっきの態度は腹立し

良子が働いて。。。って考えると嫌だもんなぁー。


。。。でも明日は来れないから

大丈夫!




自信に満ち溢れた私は


「いーの!気にしないで!

良子は今まで通り普通の生活してていーの!

あの人、明日来れないし!」






笑顔で良子に伝えた。

しかし、良子の顔が少し曇ったように見えた




すると良子が


「なんで?来ないって まだわかったわけじゃ。。。」





「だって、私に住所とか、名前とか聞いて来なかったよ?」





「美穂...さっきの人必ず明日来るよ。

...さっきの人誰か分かる?」




。。。!?

何??

良子まで言うの???





「し、知らないよ?

良子は知ってるの??てか知り合いとか??」






私がポカーンとして話してると


「違う!知り合いだったらあんな事言ってこないし

私の友達にはあんな事。。。私は言わせない!


あの人はね...多分知らない人がいないくらい有名な

会社の人なの。風来グループ会長の息子...


風来 友基(フウライ トモキ).....そして


グループ内の会社社長を任されているらしいよ?

裏の人たちとの繋がりもあるから

人を探すことは

あの人たちにとってカンタンな事なんだよ。。。

今までにも、警察に依頼されて事件を解決したってことも

あったみたい。。。」




淡々と話してくる良子に

美穂の顔は引きつりだした






「うそ...じゃあ...私確定じゃん.....

アイツんち行くのぉぉぉぉぉー!?」




「だから、私が美穂には行かせない!私が行く。

って言ってるでしょ?」




「嫌だもん!二人共無事じゃなきゃイヤだ!!」





「じゃあさ、二人で行っちゃう??私あの男の人カッコイイって思ってたんだよね。頑張って振り向かせたい!/////」




は?

なんでそうなるの?!

確かに顔はイケメンさんですけど....

「でもさー態度がなんか、俺様系じゃない??」







「二人で働いて早く修理代払おうよー!」






そんなウキウキで言われてもなぁ。

そもそも、アナタが縁石から飛び出さなきゃ

こんな修理代の話はなかったのよー....


ま、確かにアイツは払えって言ってて

働いたら給料もくれる。

それなら、早く支払える。。。

この話に乗る??

どうする私!!!

うーん....

「良子がその気なら、明日二人で行ってもいいよ!

でもさー、確実に来るって知らないじゃん!」



「来るって!!!」





.......自信満々にいうなぁぁぁ!....






美穂はマッ○に商品を残したまま

良子をおんぶして家まで送った

良子を家に送った後も

美穂は明日のことを考えていた.....








そんな明日の事を考えていた美穂に

帰ると

さらなる悲劇が待ち受けているとは......

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