side:和真

「あ、きもち……もっとぉ……っ」


あーたまんねぇ。


ねだるように喘ぐ花梨の甘い声。

吸い付くような白い肌に、豊満な胸がふるふると揺れて。

溶けるような快感に夢中で腰を動かす。


「……あ……イキそ……やば、イクイクイク……ッ」


「……かずくん、きてぇ……っ」


高まりきったままに、俺は花梨のナカで果てた。


ことが済んだ後は、裸のまま2人でベッドに寝そべる。


やっぱり、若い体は最高だな。

若干の賢者タイムに入りながら、俺は擦り寄ってくる花梨の頭を撫でる。


花梨とは出会って1年くらい経つ。

同居を始めてからどんどん女を捨てたような姿になっていく雪にウンザリしていたから、若くて愛らしい花梨に俺はすぐ夢中になった。


花梨を連れて歩けば、すれ違う男が羨ましそうに見てくるし、そんな女を彼女にできるなんて、アラフォーに差し掛かっても俺ってまだ全然イケてるじゃん。

そう、男としての自信にだってなる。


「ねえかずくん、いつになったら奥さんと別れてくれるの?」


「それは前にも言っただろ?

まだウチには要介護のばあさんがいて、その介護は嫁がやってる。

アイツと正式に離婚するのは、その介護が終わってからにするつもりだよ。

そうしないと、花梨に介護が回ってくるかもしれないんだ。そんなの嫌だろ?」


「そりゃあ介護なんて絶対嫌だけどぉ……」


何だよ、そんなに俺が好きなのか。

どこか不満げな花梨に言い聞かせるように伝える。


「どうせあの歳じゃそう長くも生きないだろうし、もう少しの辛抱だって」


介護が始まってから、雪はより一層疲れた顔をするようになった。

そんな大変なことを好きな女に背負わせたくないと思うのが男心ってもんだ。


離婚は構わないが、彩の親権を母親に持っていかれるとなると両親も黙っちゃいないだろう。

だから、少しずつ彩が母親のことを嫌いになるように仕向けてきたのが、やっと今身を結んできている。

彩は花梨にだって懐いているし、準備は万全だ。


本当、雪が扱いやすい女で助かったわ。


「安心しろって。アイツはただの労働要因だから、用が済んだらさっさと捨てるよ」


そして今度はもっと若い嫁をもらって、周りにもっと羨まれて。

この先も俺の未来はばら色に違いない。


想像すれば、自然と笑みが溢れるのだった。

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