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彩に教えてもらいながら、フリマアプリで結婚前に和真から貰ったアクセサリーやバッグを売った。

あまり使用回数も多くないし、結婚前のプレゼントは高価なものが多かったから、それなりにいい値段がついた。


そういえば結婚してからは、プレゼントなんてろくに貰ったことがないのを思い出す。


まさに、釣った魚に餌をやらないの典型みたいな男だ。


その売上金で、証拠録音用のボイスレコーダーを買った。

利便性を考えて、バッグやポケットに潜んで入れていてもバレにくいような小型のものだ。


そして、このボイスレコーダーを使って、この間彩が新たな証拠をとってきてくれた。

過去に彩は、誘いを受けて和真たちの不倫デートに何度か同行したことがあったのだという。

彩を懐柔するための作戦のひとつだろう。

毎度のようにママには内緒だと言い聞かせられていたから、前回の私がそれを知ることはなかった。


彩は今世でも、和真からの誘いを了承した。

ボイスレコーダーを所持して同行することで、2人のデートの様子=不倫の証拠を集めるためだ。


中身が16歳という多感な時期に、父親の不倫真っ最中の様子を再び目撃することになるなんて、

私の心配をよそに彩は「大丈夫任せて」と譲らなかった。

結果的に、ばっちり証拠を手に入れてきてくれたという訳だ。


ボイスレコーダーには会話がしっかり録音されていた。


『パパと花梨お姉さんは、真剣に愛し合っているんだよ』


『ママは酷いママだろ?

だから、パパが他の女性を好きになるのも仕方ないことなんだ』


そんな屁理屈にもならないことを抜かす和真。


『ねえ彩ちゃん。

意地悪で不細工なママより、若くてかわいいママの方がいいでしょ?』


彩を唆そうとする花梨。


「なんとか我慢したけど、本当に腹が立ってしょうがなかった!

バッカみたい。寝言は寝ていえって感じ!」


帰宅した彩は、そう怒りをあらわにしていた。

今の所、彩の協力のおかげで順調に証拠が集まっている。

本当……彩には感謝しかない。


せめて今日は、彩の好きなものをたくさん作ろう。

私は早速食事の準備に取り掛かるのだった。

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