第10話 ごぼう

 だんだんと寒さが染みる季節になってきました。


 ですが、やはり例年に比べるとまだ温かいかなと思います。


 街中でもダウンを着ている人もまばらですし、紅葉も遅れているようです。



 温かいとはいえ、だんだん根菜の時期になってきて、お芋や蓮根などもスーパーの棚に並んで幅を取っています。


 ごぼうも泥付きのものから洗いごぼう、色々な産地のものが出回っています。


 迷ったのですが、今回は洗ってあるものを買いました。



 用意するものは、ごぼう、人参、こんにゃく、唐辛子です。


 まずは人参をスライサーで縦向きにスライスして、その後太めの千切りにします。


 ごぼうはピーラーを使ってささがき風にします。

 包丁でするより薄くなるので火が通りやすく、私はもっぱらこの方法です。

 面倒くさいからではありません。


 こんにゃくは薄切りにします。


 油跳ねが怖いので、鍋にオリーブオイルを入れて火をつける前に人参とごぼうを入れて少し油を絡めてから火をつけます。


 人参に火が通ってからこんにゃくを入れて少し炒めて、みりん、醤油を入れます。


 味が染みたら唐辛子の輪切りを入れ、器によそってから胡麻油を回しかけます。


 ごぼうは薄いのでよく味が染み込んでいて、人参と共に噛めば噛むほど素材の味も加わって味わい深くなります。


 辛いのがあまり得意ではないので唐辛子を避けていたのですが、隠れていたのを噛んでしまい酷い目に遭いましたが。



 ごぼうは通年でありますが、旬は11月〜12月だそうです。


 ごぼうの栄養といえば、食物繊維がまず思い浮かびます。

 水溶性の食物繊維で、イヌリンというそうです。

 ですがそれだけではなく、ミネラルやビタミンB群もあるそうです。


 ちなみに、こぼうの灰汁はポリフェノールの一種なので、灰汁抜きしなくてもいいそうです。


 ですが、私はいつも水、または酢水につけています。


 ちょっとクセがあるので、ふわっと香るくらいでちょうどいいのですが、あまり濃いとどうしても味が引っ張られてしまう時があるので。


 その存在感は食事の時だけではありません。


 調理中もそうですし、終わってからも指先や爪の間が灰汁で色がつくばかりか、しばらくしても匂いが残ります。


 色鮮やかな食材の中では、一見地味な色合いのごぼうですが、調理をすると途端に存在感を増します。


 人間でもいますよね。


 地味でも、しっかりと存在を刻み込むような味わいのある方。


 憧れます。



   ※

 ごぼう : 30cmくらい

 人参 : 1/2本

 こんにゃく : 1/3

 唐辛子 : 1/2本(辛かったので1/3本でもいいかも)

 みりん : 大さじ1

 醤油 : 大さじ1と1/2

 胡麻油 : 少々


 お好みで最後に白ごまをふりかけても美味しいです。

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