第3話 栗 2nd season
知り合いから栗が届きました。
レジ袋二つ分くらいでした。
今年は雨が少なかったせいか、身が落ちるのが遅く一粒一粒が大きいそうです。
確かに、去年と比べたら一回りくらい大きいような気がします。
やっぱり秋は栗を食べたいので、嬉しいです。
嬉しいのですが、嬉しいことに変わりはないのですが、心の片隅で去年の悪夢が蘇り、そっと溜息をつきました。
それが何であるか、詳しくお知りになりたい方は『偏食家のCarefree Log 第13話 茶巾絞り』をお読みください。
家族があらかた茹でてくれたので、半分は冷凍に、もう半分は冷蔵しました。
冷凍は三ヶ月くらい、冷蔵は一ヶ月くらいもつそうなので、まずは冷蔵してあるものを取り出しました。
用意するのは、冷蔵の栗16個、重曹です。
まずは水に浸して鬼皮を剥きます。
栗の下の方のざらざらしたところとつるすべの境くらいに包丁を入れて、皮を引っかけて剥きます。
久し振りのせいか、最初はなかなか包丁が入らず指にも変に力を入れてしまい、何度か攣りそうになりました。
親指の危機を何度も経験してどうにか剝き終えたら、ステンレス鍋に栗を入れてひたひたになるくらいに水を張り、重曹を大さじ1入れて10分程煮ます。
灰汁を取りながら時間が経ったら鍋の煮汁を捨てて水を再度張り、もう一つ大きなボウルにも水を入れます。
渋皮取り第1回目です。
外側の硬い鬼皮も力加減が難しくて大変なのですが、私は渋皮の方が苦手です。
栗は小さいし、形が一つとして同じものはありません。
おまけに、四角だったら安定するのですが、丸いのでまな板に置くこともできません。
なので、今年は重曹を使って包丁を使わずに剥く方法にしました。
1回目は、鬼皮との接地面であるぽやぽやした渋皮を指の腹などで、筋は楊枝を使って取ります。
ここで忠告です。
優しく取り扱わないと割れます。
私は渋皮取りにちょっと力を入れたら亀裂ができて、楊枝を深めに刺したら実を削ってしまいました。
ここで丁寧に取り除くことで後の作業は少し楽になります。
ですがそんなことを考えず、適当にやって次の第2回目の重曹茹でをしてしまったので、そのツケが回ってきました。
常に水分をつけているので指先がふやけ、鬼皮剥きでの疲労が出てきました。
割れてしまったものや亀裂の入ったものは一個の状態を見極めて力を加減しなければならず、流れ作業ができないので気力も時間と共に削がれます。
※まだまだ続きますが、次回へ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。