第7話 最強の面影
「やべえ……しくったかと思ったわ」
枝にぶら下がったまま、俺は息を吐いた。
激渋オッサンセットは、カッコ良さ優先で揃えたセットだ。
しかし、使い始めて分かったことがある。
このセットでナイフを使うと、思い切り振り抜いただけで斬撃が相手に向かって飛んでいくのだ。
つまり、ナイフが飛び道具になるのである。
剣士系のスキルでも同じことは出来るのだが、こういう自分で見つけた抜け道みたいなものには愛着を持ってしまう。ゲーマーというか趣味人というか人間の性ってやつだな。
ゲームでは、飛んでく斬撃にエフェクトがかかって軌跡が見えるのだが、これは現実だからか、いま飛ばした斬撃にはそれが無かった。
だから失敗して斬撃が飛ばなかったのかと思ったし、そもそも熊に斬撃が通じるかも分からなかったから、ジャンプして退避した。
というわけで結果は、見ての通りだ。
一撃で斃れたところを見ると、熊は――D+というのは――大した強さじゃなかったのかもしれない。
しかし初手に斬撃で様子を見たのも、ジャンプして逃げたのも正しい選択だったと思う。
これは現実だし、アルケインレジェンドでの俺の強さが、この世界でどれくらい通用するかもまだまだ不明。
「しばらくは、こんな感じだな」
俺の中にある強さの尺度がこの世界の現実と噛み合ったと確信できるまでは、ビビりすぎくらいの立ち回りで行くべきだろう。
ピコーンピコーンと、音が響いている。
さっき見た俺のステータスは、こうだった。
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アサバユウキ(15歳)
種族:人間
職業:ドラゴンテイマー
レベル:1
HP:1200/8000
MP:900/12000
AGI:1200、STR:900、AP:900、ATK:2000、DF:700、DV:2100、Dex:2100
スキル:拳神Lv3、剣神Lv10、避神Lv10、投神Lv10、
火魔法Lv10、水魔法Lv7、風魔法Lv10、土魔法Lv9、
雷魔法Lv10、光魔法Lv10、闇魔法Lv7、
空間魔法Lv10、魔力操作Lv10、隠密Lv10、
状態異常無効Lv9、魔法耐性Lv10、物理耐性Lv9、
HP回復Lv10、MP回復Lv10、
鑑定Lv10、危険察知Lv10、マップ作成Lv10、
クラフトLv10、経験値100倍、無限収納、
万能言語理解、異世界通販、魔法適正無制限、
配信スタジオ、スキルイーター
SP:0
称号:世界守護者の加護、千刃狐、異世界人
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そして、アルケインレジェンドでのステータスがこれ。
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フォックス
種族:人間
職業:魔法剣士
レベル:1000(MAX)
HP:8000/8000
MP:12000/12000
AGI:1200、STR:900、AP:900、ATK:2000、DF:700、DV:2100、Dex:2100
スキル:拳神Lv3、剣神Lv10(MAX)、避神Lv10(MAX)、
投神Lv10(MAX)、火魔法Lv10(MAX)、水魔法Lv7、
風魔法Lv10(MAX)、土魔法Lv9、雷魔法Lv10(MAX)、
光魔法Lv10(MAX)、闇魔法Lv7、空間魔法Lv10(MAX)、
魔力操作Lv10(MAX)、隠密Lv10(MAX)、状態異常無効Lv9、
魔法耐性Lv10(MAX)、物理耐性Lv9、
HP回復Lv10(MAX)、MP回復Lv10(MAX)、鑑定Lv10(MAX)、
危険察知Lv10(MAX)、マップ作成Lv10(MAX)、クラフトLv10(MAX)
SP:76
称号:(略)
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最後に、いま確認したステータスがこれだ。
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アサバユウキ(15歳)
種族:人間
職業:ドラゴンテイマー
レベル:12
HP:17000/17000
MP:26000/26000
AGI:1600、STR:1700、AP:1400、ATK:3200、DF:1600、DV:4000、Dex:4200
スキル:拳神Lv3、剣神Lv10、避神Lv10、投神Lv10、
火魔法Lv10、水魔法Lv7、風魔法Lv10、土魔法Lv9、
雷魔法Lv10、光魔法Lv10、闇魔法Lv7、
空間魔法Lv10、魔力操作Lv10、隠密Lv10、
状態異常無効Lv9、魔法耐性Lv10、物理耐性Lv9、
HP回復Lv10、MP回復Lv10、
鑑定Lv10、危険察知Lv10、マップ作成Lv10、
クラフトLv10、経験値100倍、無限収納、
万能言語理解、異世界通販、魔法適正無制限、
配信スタジオ、スキルイーター
SP:11
称号:世界守護者の加護、千刃狐、異世界の強者
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最初は
アルケインレジェンドでは1000だったレベルが、1からやり直し。そして、スキルの後に付いてた(MAX)の記述が無くなっていた。
SPをひとつ、スキル『避神』に割り振ってみると――
避神Lv10が、避神Lv11になっていた。
アルケインレジェンドでは、もうMAXまで行って上げられなくなってた『避神』のレベルが上った。
これが、どういうことかというと……
「やっ…………た!」
俺は、まだまだ強くなれるということだ。
だったら、やることは1つだ。
「強くなる……強くなる……強くなる!」
俺は、強くなる。
この世界で。
そして――脳裏に浮かぶ、顔と声がある。
『キヒヒヒヒヒヒヒ』
そのために、まずは。
「龍と契約する――行くぞ! ドラスケ山へ」
あるスキルの検証で死にかけたのは、そのすぐ後のことだった。
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