プロット

【起】

流浪の女として各地を放浪してきた占い師として宮廷に身を置くカルメンシータは、実は王家の秘宝を狙う女怪盗。占いをしながら宝石の情報を探っている。そんな彼女の持つ異国情緒に憧れを持つ伯爵令嬢ドニーズは、何度も占いにやってくる。純真で優しいドニーズに惹かれていくカルメンシータだが、ちゃっかり王家の秘宝の噂を聞き出したりしている。どうも王家の秘宝とは、首飾りであるらしい。先代国王の愛妾に売られたものを、宝石商から先代王妃が盗み取ったのである。関係者が亡くなり、闇の中に葬り去られている「王家の富」の象徴を、カルメンシータは狙っている。一方、ドニーズの紹介でやってきたドニーズの姉ベアトリスは、自身の親友であり恋人のアニエスが、嫉妬から国王とベアトリスの中を裂いているという噂に悩んでいるとこぼす。


【承】

ベアトリスの相談を受け、国王の愛妾アニエスを占うカルメンシータ。占いをするうちに、アニエスは打ち明け話を始める。ベアトリスが愛妾になる話を阻んだのは、ベアトリスのことを思ってのことだったが、アニエスは元は平民の娘であり、根っからの貴族であるベアトリスの恋心に気後れをしてしまうことがあった。カルメンシータはその打ち明け話を、自分とドニーズの関係に重ね合わせ、深く同情した上で、ベアトリスが愛しているのはありのままのあなたであるとアドバイスを送る。ある日、占いの依頼人として現れた王弟から、国王暗殺の予兆を視ることに成功し、彼が暗殺計画を進めていることに気づく。


【転】

国王の暗殺計画と自分の正体について、カルメンシータはアニエス、ベアトリス、ドニーズの三人に打ち明ける。カルメンシータは元々は隣国の貴族だったが、領地を没収され、流浪の憂き目にあっていた。三者三様の驚きかたをするも、最後は受け入れ、協力して暗殺計画を阻止することになる。ベアトリスが宴会の日に王弟が持つ暗殺者へ通じる秘密の通路を見つけ出し、封鎖した結果、暗殺計画は未遂に終わり、危機は回避される。ベアトリスが秘密の通路についての情報をカルメンシータに共有していたところ、ドニーズからあらぬ疑いをかけられ口論になりかけるが、すぐに解決。通路のことを知ったカルメンシータは、宝石を盗むことに成功する。


【結】

カルメンシータはアニエス、ベアトリス、ドニーズに、盗んだ宝石は金に変え、王国の民にも役立てることを約束する。カルメンシータの真の目的は、盗品を元手に自分の故郷を再興することだった。ドニーズに故郷を再興したら迎えに来ることを誓って、カルメンシータは宮廷を去る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る