第425話 演劇場計画会議
「これより第1回 最果ての町 演劇場計画会議を行います」
ムージさんの司会で演劇場を作る会議が始まった。
「まず初めに チマキ町長からの御挨拶を──」
おおかた省略
「であるからして これからの町の発展を願い演劇場の設置を考えようではないか」
長い挨拶が終わった。
チマキ町長と秘書ズと俺の5人しかいないのに挨拶長いよ。
本当ならカタユ伯爵が領主なのでこの会議に参加してほしかったが、なにやら王城と連携して仕事をしているようなので、我々で決めることになった。
ムー「では 挙手して案をお願いします」
チマ「はい わたしの案は新しく演劇場を建造することだ」
ショ「はーい 中古物件がいいと思います」
ドイ「はーい ルフダンワ亭を増築するのがいいと思います 確実に」
まともっぽい案がでてよかった。
町長屋敷を演劇場にするとか、伯爵のやしきを演劇場にするとか
ろくでもない案が出るかと思ったがなくてよかった。
チマ「本当は町長屋敷を演劇場にしようかと思ったのだが、ありふれた案だと思ってな。やはり建造がいいだろう」
やっぱり思ってたんかい。
ショ「この際、伯爵さまの屋敷を演劇場に改築しようと思いましたが」
ドイ「それもありきたりの案だと思ってやめたんです。確実に」
それも思ってたんかい。
長い付き合いなので、なんとなく考えていることが分かるようになったのかも知れない。
「へいさくどのは なにか案はあるか?」
「そうですね。新しく建造もいいんですが、やはり中古物件がいいように思います。新しく作ってうまくいかなかったらお金がもったいないですから。ルフダンワ亭を増築するのもいいんですが、こちらはお店なのでやはり別にしたほうがいいいと思います」
「なるほど」
ショ「中古物件を探すということですねー わたしの案を採用ですねー」
ショーヒさんは嬉しそうだ。
「よかろう では どんな物件を探すかだが──」
「はーい 町長屋敷に近いところがいいです」
ショーヒさんは元気よく手をあげて意見を述べた。
どうやらショーヒさんは自分がちょくちょく見に行けるように屋敷の近くがいいみたいだ。
「はーい 町の中央がいいです」
ドイーメさんは元気よく手をあげて意見を述べた。
ドイーメさんは町の中央で町のシンボル的なものにしたいようだ。
いい意見だね。
「町長はなにかありますか」
チマキ町長に聞いてみた。
「演劇場の内部に町長屋敷を作ってだな──」
「却下」
「まてーい まだ途中だぞー」
「「「却下」」」
秘書ズも即却下した。
チマキ町長に聞いたのが間違いだった。
なんやかんやで、町の中央付近に大きな物件を探して演劇場にすることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます