第424話 異世界に戻る



小股ズのカタギ修行を手伝って、仕入れもして異世界に来た。


地球ではフットサルで優勝して、家で宴会をしたが、

妹の智依に異世界の話を聞かれてしまった。


怪しむ妹をじいちゃんに任せてきたが、大丈夫だろうか。


じいちゃんうまく誤魔化してくれたかな。






町に到着した。


久々の町だ。

時間的にはそんなに立ってないだろうけど、フットサル大会で長いこと地球にいた気分になっていた。




町ではバキュームチマキ商会が大忙しで若い部長がヒーヒーしていた。


しかし、

「かき氷のために今日も社畜になるぞ!」

「部長ファイト!」

「部長すてき!」


部下2人がスーパーブラック社畜号に乗り込み、部長ウアニンナイサ君が御者をして出発した。


若いって素晴らしいね。




町の店がいろいろな料理をだすようになり、うちの店ルフダンワ亭は客足がちょっと減った。


そのタイミングで演劇をやってみると大盛況だった。


そして町長の敷地に作った冷蔵庫屋で氷を作成して

限定販売でかき氷をだすとこれも大好評だった。


そのうち「うちにもかき氷を教えてくれ!」とか他の店に言われそうな気がする。


かき氷の他にミルクプリンも考えている。



これから町長の屋敷にいって演劇場の件で会議を開く。





町長屋敷


「ち~ん・・・いい音色だろ」

どこかの大佐のようなセリフをチマキ町長は言っている。

前にも言ってたような気がする。



「また作ったんですか」

「これで3つめですよ」

「顔より大きいワイングラスを作るのやめましょう」



「い、いいではないか。3つのグラスを交代でワインを飲むと格別なんだ」


「職権乱用です」

「わたしたちにもグラスを作ってください」

「顔より大きくなくていいですから」



「ま、待て 話せばわかる」


町長ズ4人で なにやら揉めている。



「なにがあったんですか?」


「へいちゃん きいてください かくかくしかじかで──」

「サックー ひどいんですよ かくかくしかじかで──」

「そんなかんじです」


なるほど。

簡単に言うと


町長が細工屋でデカグラスを作ってコレクションを増やしている。

秘書ズもほしいのに作ってくれない。

作ってくれないなら町長の仕事を増やしてやろうと相談してたところ。


だそうだ。



前に作った顔より大きいワイングラス(某ものまねタレントが持っている特大のワイングラス)を、また作ったってことだね。


あのグラスは町長のお気に入りで、いろいろなところに持参してた。


小金が出来たから作りたかったのだろう。




しかし、


「それは後にして 大事な会議が──」


演劇場の話をしようとしたが・・・


「このことが重大です」

「そうです。新しいグラスでワインが飲めるのはすごいことなんです」

「わたしもグラスはほしいです」


この世界ではガラス細工は貴重品だ。

多少ゆがんでいてもガラスというだけで高価な品なのだ。


そのことは町長ズには大事な話のようだ。



でも、今日は演劇場の話をしにきた。

けど、出直そう。


「分かりました。演劇場の話をしにきたんですが、また今度に──」


「まて~い その話をしよう」


「そうしましょう」

「こっちの話はあとにします」

「演劇場がきまるんですね」


ワイングラスの話は、あとで4人で決着させるということで

演劇場を作る計画を話し合うことになった。




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