第418話 地球 小股ズ カタ道 フットサル10



こなかは目をつぶり精神を集中させる。


「ニイヌ・マッケンジーはどうでもいい!集中だ…… そこだ!とりゃー!」


こなかは目をあけると、今までよりも素早くゴールポストを蹴ってボールに飛びついた。



(クマさんブリーフの三角飛び)くまブリ飛びでボールに飛び付きキャッチした。



「ボール!とったどー!」

こなかはボールを掲げて叫んだ。


どこかの無人島生活の決めセリフのようなことを言っている。




「君もボールはフレンドなんだね」

片翼君はちょっと悔しそうだ。



「親分たのんます」

こなかからボールをもらった。


「タイガースショット」

俺は自分ゴールのエリアからシュートした。


「こんどこそ止める!」


パシッ


年寄林くんはボールに食らいついた。



シューー!


キャッチした手の中でボールが回転している。

年寄林くんの手袋から煙が出ている。


「おーっと!年寄林くんコツを掴んだのか!ゴールを守りました!さすがSGGキーパーです!シェケラベイベー」



「ナイスだよ。年寄林くん。ボールはフレンドだよ」


「片翼。俺がボールをとれない理由がわかったぜ あいつ(へいさく)のハーフラインからのシュートはペナルティエリアの中と同じなんだ。ハーフラインから打たれたらとれない。それくらい強烈なシュートだ」


年寄林くんは片翼くんに小声で話して、冷や汗をかいている。





ーーーーーーーー


ヘイサクのシュートは あまりに強烈すぎるためハーフラインが年寄林くんのペナルティエリアに相当していた。


へいゆかチームのコート内からのシュート(ハーフラインの外から)なら、年寄林くんなら取れる。


逆に、ハーフラインの内側(ハーフラインも含む)からのシュートは対応できないのだった。


ーーーーーーーー



「それならボールはフレンドだから、小石崎くんに顔面ガードで守ってもらおう」


「まかせろ 俺の顔面は固いからな」


小石崎くんは白い歯を見せてニッコリ微笑む。






その後、こなかは「くまブリ飛び」でゴールを許さず。


こっちのシュートも、自分チームのゴール前から蹴ると年寄林くんに止められ、ハーフラインからシュートすると小石崎くんの顔面に何度も止められた。


しばらくの間、接戦だったが すきをついてハーフラインの中からのシュートが2つ決まった。






なんやかんやで


4-2で優勝してしまった。





「な、な、な、なんと!あいにくの曇り空チームを下して、へいゆかチームの優勝です!おめでとうございます!シェケラベイベー」




「やった お兄ちゃんたち優勝したよ」

「すごいぞ へいさくー さすが俺の息子だ 約束通り拳銃を──」


妹と親父が大声で手を振っている。



拳銃はもういいよ。



恥ずかしい。






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