第410話 地球 小股ズ カタ道 フットサル2
さっそく小股ズと一緒に練習することになった。
「おれは目がいいんす。名キーパー小中(こなか)からゴールを奪えるかな」
小中下 社(こなかしたやしろ)がゴール前で構える。
「いくぞ シュート」
ヘイサクがシュートを蹴った。
すごいスピードでボールがこなかに迫る。
ボシュ!
「あひゃー!」
シュートをキャッチにいったキーパーこなかを吹き飛ばし、ボールと一緒にゴールに叩きこんだ。
「さすが親分だぜ いかしたシュートだ」
小股が絶賛する。
「すげーな。こなかがふっとんだぞ」
「親分ハンパねーな」
三下とアズマが驚いている。
「親分よ。俺は自分の技を新しく考えた。その名もスーパー小股タックルにしたぜ」
殺人小股タックルだと物騒なのでスーパーに変えたそうだ。
「横文字にしてみたぜ」と得意げに言っている。
スーパー小股タックルって・・・超小股でタックルするような なんとも言えない切ない感じに聞こえるのは気のせいかな。
「おれも技ならあるっす」
三下も技を考えたみたいだ。
三下はドリブルが得意なので、特技の「暗殺」を生かして、技名「暗殺ドリブル」にしたとか。
タックルしてきた相手を暗殺のごとく見つからないように強引に押し切るドリブルだそうだ。
「グレーゾーンだから反則にはならないっす」とのこと。
アズマの技は特技の「瞬殺」を生かして、一瞬のすきをついてパスをカットする技「瞬殺パスカット」だそうだ。
こなかは技名はないが、特技狙撃の眼を生かしてゴールキーパー。
「ゴールを守れればそれでいいんすよ」と言っている。
暗殺 瞬殺 狙撃、どれもどうしようもない特技だと思ったが、
みんなそれぞれフットサルで使える技を開発していた。
これは優勝は無理でも3回戦くらいいけるかも。
小股ズのカタギ修行のフットサルだけど、楽しめそうな気がしてきた。
・・・・
フットサル大会出場のため受付をすることになった。
受付にいくと必要書類に記入して最後にチーム名を書く欄があった。
そういえばチーム名を決めてなかった。
うっかりしていた。
「チーム名決めてなかったな」
「「「「そうだった」」」」
小股ズもチーム名は頭になかったみたいだ。
俺はネーミングセンスがゼロらしいから(異世界で命名するときにいつも散々)
チーム名をどうしようか考えていると
小股が決めてくれるというので元組長だけに変な名前にはならず
むしろ、いかつい名前になるだろうと思ってお任せした。
俺がつけて変な名前になるよりはマシだと思った。
・・・・
そして予選では・・・
「暗殺ドリブルじゃー」
「ぐわー」
三下は、相手キーパーを吹き飛ばし、そのままゴールへドリブル。
相手チームの切れのあるパスがゴール前に飛んだ、相手選手はゴール前でヘディングを狙っている。
そのとき!
「瞬殺パスカット」
「なんだとー 俺のパスがカットされたー」
キレのいいパスを出した相手選手は、アズマにボールを取られ動揺している。
「おれのドリブルをとめられるやつはいねーぜ」
相手選手がドリブルで攻めてくる。
「おりゃー スーパー小股タックル」
「ぐえー おれがボールをとられただとー」
キレのいいドリブルで攻めてきた相手選手は、小股にボールを取られ動揺している。
「おやぶん 決めてくれ」
ヘイサクにボールが渡った。
俺はというと・・・
「タイガースショット!」
ブシューーーン!
ガコン!
「あら?」
ゴールポストに、シュートしたボールが当たった。
「ハーフラインからのシュートでゴールポストが変形したぞ なんだあいつは!」
ポストに当ててへこませたり、
「タイガースショット!」
ブシューーーン! キラーン!
「あいつはどこにボールを蹴ったんだ。戻ってこねーぞ。ボールが星になっちまった」
空のかなたに蹴り飛ばしたり、
予選で俺はシュートをことごとく外した。
1ゴールも決まらなかった。
しかし、小股ズの活躍で みごと予選通過を果たしたのだった。
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