第406話 時代劇の評価
水戸青門の演劇は大成功だ。
観客のみなさんにいろいろとアンケートを取ったところ、
「面白い」「また見たい」「定期的にやってほしい」
という肯定的な意見をたくさんもらった。
そして、有料でも見たいという意見ももらった。
これは演劇場を作って大丈夫だ。
なにげに町長ズがお忍びで町の問題を解決してほしいという要望まであった。
「町も発展してきた、人も集まってくる。そうなると悪党も来るだろう。本当にお忍びでご隠居をやるときが来るかもしれない」
「そうですよ。わたしたちもお供します」
「悪は成敗するべきです。確実に」
「平和が一番ですよね」
町長ズが「お忍び世直し旅」をやりたい風な会話をしている。
そんな話をしていると王子王女がやってきた。
「演劇なんて大げさなお芝居だろうと思ったけど、とても面白かったよ」
「大兄さまが あんなひょうきんな役をやるとは思いませんでしたわ」
王子王女も終盤のチャンバラときには「いけいけー」と拳を振り上げていた。
「王都でマネてもいいかな」
「王国歌劇団でマネてみたいわ」
「どうぞ やってください」
「最初はラフランダースの猫を歌劇にするわ」
「それはいいね へいさくっち知ってるかい?王都ではラフランダースの猫がブームになってるんだ」
「え!そうなんですか」
「そうなの。ミマファちゃんに書いてもらった絵を元にしてタオルやポスターや小説本を作ったら王都中に広がって大ブームになったのよ」
救援の書簡をもって町にきたとき、王女が「知らせたいことがある」っていってたのはそのことだったのか。
「へいさくっちに見せたいよ」
「はやく王都に来てね。待ってるから」
そうなのね。
授与式のときに、また王都見学をしようと思った。
救援依頼は完了して、王子王女の仕事も終わった。
演劇も見たことだしそろそろ帰るころかと思っていたが・・・
まだ帰らない。
勇者ズのように、このまま居座るような気がしてきた。
国王のご子息ご令嬢全員が居座ったりしたら、心が落ち着かない。
「救援任務は完了して無事に戻ってきましたので、王子王女は安心してお帰りください」
「へいさくっち 僕を追い払おうというのか。僕の股間も追い払「おだまり!」・・・は、はい」
王女のつっこみが過激になってるね。
盗賊団討伐にいってる間に何かあったのかな。
「わたしも追い払おうとしてるのね」
王女も言う。
いやいや、急用で来たんだろうから そろそろ帰ったほうがいいのに。
かれこれ2週間も町にいたなら満喫できでしょうに。
「いや、王様が心配してると思いますよ」
「父上は大丈夫だよ」
「父さまは心配なんてしません」
あの王さまならそうか・・・
「それなら王妃さまが心配してますよ。それかドーガ隊長とか」
今回は急用ということで少ない護衛と共にきていた。
ドーガ隊長は同行していない。
ほんとうに王妃さまは心配してると思う。
「それはあるね」
「たしかにあるわね」
よし!撤収してもらおう。
「でもひとつお願いがあるの」
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