第374話 東の村へ








伯爵の屋敷ではアジトに乗り込む計画を立てていた。



賊の「東の村強襲計画」を逆手にとり、

こちらの軍がアジトに乗り込む前に、勇者一行救援部隊が東の村に入り、待ち伏せすることにした。


ラトスケーオ正規軍を半分に分け、半分をアジトに向かわせ、少し経ったころ残り半分を村に向かわせる。


兵団が到着するまで勇者一行救援部隊が村を守る。


アジトに向かわせた兵団も村に向かわせ挟み撃ちにする。


という作戦でいくことになった。




勇者一行(ミタケ 1王子 ジョイセ)とバキンム一行(ヘイサク ケブヤ ノモコ モブズ)の救援部隊は村人を装い、先に東の村に向かった。


チマキ町長一行(チマキ ショーヒ ドイーメ ムージ ワイコ)はワイコに街中の情報収集をさせ、こちらの作戦がバレていないか調べてから向かうことになった。





ラトスケーオ東の村


「ほえー 勇者さまだか」

「こっただ村においでさなっただか」

「えんろはるばるごくろうさまですだ」


村長を呼んでもらい盗賊の計画を話すと

「なんですと またこの村を盗賊が襲ってくるですと!大変ですだ」

この村も 何度も賊に襲われているので またかと青ざめている。



「大丈夫です。わたしたちが村を守ります」

「兵団も来る手はずになっている。大丈夫だ」

「アンビリバボーですが心配いりません」

勇者ズが村長を勇気づける。



緊急で村人を集めて事情を説明して盗賊を迎え撃つ準備を始めた。


「えらいっこった」

「オラのベコを守らねーと」

「おらの畑はあらされたくねーだ」

村人は木の鍬などを手にして戦おうとしている。



「そんなんじゃだめだ。俺が武器を作ってやるから それを使え」

ケブヤが背後から現れた。


すると・・・



「ぎょえー!盗賊の親玉が現れただ!」

「た、たすけてくれー」

「い、いのちだけは!」


「俺は味方だよ!勇者の仲間だ!」




「そ、そうでしただか。てっきり食われるかと思ったですだ」


「食わねーよ」


ケブヤは半泣きになりながら、土魔法で武器を作った。


「建築!」


ゴゴゴゴ!


角棒を数十本と真四角の土板を数十個 作り出し村人に渡した。


「すげー棒ですだ」

「これなら折れたりしないですだ」

「この板は盾になりますだ」


「「「ありがとうございます 悪役勇者様」」」


ケブヤは悪役勇者と思われているようだ。


山賊や悪魔と呼ばれないだけ、ましだろう。




ケブヤには、もうひと仕事してもらおう。


村の四方を土魔法で囲んでもらう。


「ぬぬぬ 建築!」

ゴゴゴゴゴ!


村の四方を囲う高さ3メートルの土壁が形成された。


「はー はー はー」


魔力を大量につかい ヘトヘトになっている。


「これ飲むか。魔力が回復するぞ」

ケブヤにエルフの里でもらった飲み薬を渡した。


「おまえこれどこで手にいれた!これは人間には作れない回復薬だぞ!」


え!そうなの?

だからエルフの飲み薬って呼ばれてるのか。



「まあ いいから飲めよ」


ゴクゴク

「おお 息切れがおさまったぜ」


飲み薬を飲んでケブヤの魔力が回復した。




ノモコはケブヤが作った土壁の外側の土砂を収納している。


相手に土魔法使いがいる。土壁を作っても足場を作られたり地下から村の内部に入られてしまう。


足場を作られたら土砂を流して妨害する。

地下からこられたら土砂で埋めてしまう。


というノモコの作戦だ。


ケブヤとノモコ達は村の内側で防衛。


俺と勇者一行は村の外側で防衛する形をとった。







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