第376話 東の村の戦い
「てめーら 王国のエセ勇者パーティか!生意気な!」
ボスがこちらに向き直り叫ぶ。
防壁の上から村長が
「我々には勇者さまがいる きさまの悪行もここまでじゃ かかってこいやー」
盗賊に向かって叫んだ。
村長なかなか度胸があるね。
まさか挑発するとは思っていなかった。
いままで何度も襲われてきたから耐えていた気持ちが爆発したのだろう。
ボス「ふん! 帝国にはな 本物の勇者がいるんだ! 俺は勇者パーティと戦い、何度も封じてきた。勇者には戦いのセオリーがある。それを封じてしまえばただの冒険者パーティと同じだ!数でおせば勝ちよ!」
ボスが武勇を語っている間にミタケが鑑定していた。
ミタ「ボスの名前はウトクアイダ 剣術スキルを使うわ かなりの練度がある。強さも120をこえてる 剣聖級かも知れない。 幹部の土魔法使いはホマチツ かなりの土魔法の使い手よ。それに火魔法使い10人 水魔法使いも10人いるわ。スキルなしの盗賊も一人一人が強さ50を超えてるから気を付けて」
ミタケの鑑定は優秀だ。
しかし、賊はすごい集団だ。
伯爵規模の軍団に匹敵する強さだ。
ボス ウトクアイダ 強さ120 剣術スキル
幹部 ホマチツ 強さ50 土魔アースウォール
この2人が要注意だ。
特にボスのウトクアイダは強い。
巨大なバスタードソードを装備している。
ヤシロコ並みの強さだ。(第62話参照)
剣術スキルは斬撃を飛ばす技だ、ボスと戦えるのは俺しかいない。
考えを巡らせていると・・・
「やろうども 勇者を孤立させて勇者スキルを封じろ!剣聖には魔法をあびせて剣術を封じろ!聖女には数で当たって聖魔法を使わせるな!賢者には接近戦をしかけて魔法を使わせるな! 4人の特技を封じろ!」
「「「おーう」」」
「「「さすがお頭だ」」」
盗賊の親玉ウトクアイダの作戦に手下の賊が動く・・・
------スネノ第一王子
賊「ファイヤーボール」「アクアバレット」
ブオー! パン!
賊の魔法部隊が魔法を放つ。
「くそ、魔法攻撃か。これでは近づけない」
1王子は魔法攻撃をあびせられ防戦一方だ。
「早くジョイセさんを助けに行かないと」
ウト「ぐっはっは 剣聖を封じたぞ!」
賊の武器攻撃と魔法攻撃で1王子は完封されている。
------勇者ミタケ
勇者ミタケは孤立させられ賊と にらみあっている。
20人の賊がミタケに剣を向けて囲んでいる。
「勇者スキルは けた違いの威力があると お頭が言ってた へたに攻撃せず勇者の動きを封じるんだ」
賊は距離をとって剣を勇者に向けている。
勇者ミタケは護身用の剣を抜き、鋭い眼孔で戦闘態勢をとる。
「やー!」
賊が勇者スキルを使わせないため、斬りかかろうとすると そちらに振り向く勇者ミタケ。
「く!」
勇者が振り向き にらみをきかせる。
「うっ さすが勇者だ にらまれたら動けねーぜ」
賊は冷や汗を垂らして後ずさる。
勇者ミタケの心の中
(やばいわ泣 賊に囲まれてるじゃない 身動きがとれない わたし戦えない勇者なのに 誰か早く助けてよー泣)
賊はミタケが戦えないことを知らない。
しかし、
「へたに切りかかるな 勇者の動きを封じればいんだ」
賊はミタケを囲んで動きを封じることに専念している。
勇者ミタケの心の中
(わたし戦えないんだって だれか助けて へいさくー)
「ぐっはっは 勇者のスキルも封じたな。セオリーを潰せば、ただの冒険者と同じよ! 聖女と賢者も何もできねーようにしちまえ!」
ミタケの強力な勇者スキルを封じたと思っている盗賊のボス ウトクアイダ。
しかし・・・
ミタケのスキルは「鑑定」と「収納」だけだった。
そんな戦えない勇者ミタケは賊20人に包囲されながら顔色一つ変えず剣を向けて構えている。
心の中(あたし 死ぬわ 助けて―)
そして、賢者と聖女は・・・
ヘイ「おらおら!」
ドガ! バキ! ビシバシ!
------
ジョイ「ふん!ふん!ふん!」
ドガ! バキ! ビシバシ!
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