第148話 子爵の名代
ゲキワ君は元気になった。
飴は婦人が気に入り、ミルク飴の2つ同時舐めを教えたら
ハマってしまった。
「2ついっしょに舐めると濃い味になるわね」
婦人はニコニコだ。
「僕はこのジュースが気に入ったよ。実においしい」
伯爵は草ボーボーの庭で優雅に、はちみつレモンジュースを飲んでいる。
「父上も母上もなんであんなに のんびりしてるのでしょうか。領地は大赤字なのに」
ほんとにゲキワ君は救世主だよ。
チマキ町長が自身の給金やらなんやらを町の支援に回してるからなんとかなってるけど。
・・・・
「ヘイサクっちは薬師なのかい」
王子に気に入られてからあだ名をつけられた。
王族ズは思いのほかフランクなんだよね。
「いちおう そうです」
回復薬を作れるんだから薬師ということにしておこう。
「そうだったのか。失った腕を再生させる回復薬を作れるかい」
欠損部を再生できる薬か。
「わかりません作ったことありませんから。エリクサーですよね」
「うん。ヘイサクっちもエリクサーは無理かな・・・」
「やっぱりあきらめるしかないのかしら・・・」
王女がつぶやく。
「王国薬師長でもエリクサー作成は5回に1回しか成功しないんだ。しかたないさ」
エリクサーって そんなにすごいものなのか。
「大兄さまの腕を治したかったのだけれど」
「大兄さま?」
「第一王子、僕の兄だよ。片腕がないんだ」
剣聖になれるといわれたほど剣術がたくみだったが、あることで左腕をなくしてしまったそうだ。
王族ズにエリクサーを買えばいいと思って聞いてみると
「エリクサーは白金貨1枚で買えるけど、なかなか出回らないんだ」
「エリク草は採取してすぐに調合しないと枯れてしまうの。どこにあるかもわからないのよ」
上級回復薬までなら簡単に手に入るそうだ。
しかし、エリクサークラスになると別格らしい。
エリクサーは金があれば簡単に買えるものだと思ったけど、王族でも手に入れにくい貴重なものだったのか。
そして
薬師スキルって成功率があったのか。
調合箱でもエリクサー作れるのだろうか。
エリク草があったとしても、たぶん魔石上サイズが必要なはず。
魔石があれば作れるかもしれないけど 失敗するのかな。
試してみないとわからない。
トレント狩りをしたときの魔石は中サイズだった。
魔石の上サイズとエリク草があれば エリクサーを作れるかも。
上魔石をゲットできたら挑戦してみよう。
・・・・
ゲキワくんの状態は問題ないので駄菓子をあげて
王都にいく準備をしていると子爵の長男ニゼクブアが兵隊をつれてやってきた。
伯爵ズ(伯爵 婦人 ゲキワくん)は隠れてもらった。
これからのことを考えると回復した姿を見られたくない。
ニゼクブアの頭はアフロだ。
みごとなほど丸いアフロになっている。
爆発のとき一緒にいたのは間違いない。
ということはネカオ子爵もアフロのはず。
などと考えていると・・・
「伯爵、男爵ならびにドンセシュ町に行商にきた関係者諸君、我が名はニゼクブア。父ネカオ子爵の名代としてやってきました。
あなたたちのせいで屋敷が吹き飛び資産を失った。
賠償請求をします。 白金貨2000枚用意していただこう」
アフロヘアのニゼクブアが町の北門の前で叫んでいる。
「ニゼクブア殿。戦争でも仕掛けに来たのか?」
チマキ町長が防壁の上から聞き返す。
兵士100人くらい連れてきてるからね。
「そちらの対応によっては戦争になります」
ネカオ子爵の名代できたといってたっけ。
本気かな?
「2000枚 そのうちわけはなんですか」
俺も防壁の上から聞く。
「資産1000枚
屋敷の建築費用100枚
迷惑料500枚
もじゃもじゃ頭代400枚
です」
なんとも法外な金額をふっかけてきた。
この町にそんな金あるわけない。
それに、もじゃもじゃ頭代ってなんだ?
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