第149話 裁判へ
法外な金額をふっかけてきた。
もじゃもじゃ頭代ってなんだ?
「資産が1000枚あったなんてほんとですか?」
「うそだというのですか」
「わたしたちは見たわけではありませんから。それに屋敷なんて1枚で立ちますよ。迷惑料だって500枚なんてバカげてる」
「きさまらー!我が子爵家を愚弄いたすか!」
「もじゃもじゃ頭代ってなんですか?」
「見てわかりませんか!この頭ですよ!」
「似合ってますよ」
「そうですか? いやー、この真ん丸な感じが気にいってるんですよ~・・・って そんなわけないでしょう!」
「かっこいいですよ」
「かっこ良かったら領民に、もじゃりんこヘッドなんていわれないでしょうが!ゆるしませんよ!成敗してくれます!」
「ぼっちゃんやめましょう。領地の賊を討伐してくれた方々ですよ」
ドンセシュ町にいた兵長さんだ。
「賊など、わたくしが指示したとおりにすれば捕らえられたはずです」
「坊ちゃんの指示通りにやったらアジトを潰すことは出来ましたけど逃げられたじゃないですか。この人たちがその尻拭いをしてくれたんですよ」
「くっ し、しかし 子爵家の財産を破壊したのです ゆるされぬことです」
「ほんとにそんなことしたんですか。わたしにはそう見えないのですが」
「現に爆発してるでしょう」
「門兵がいうには、行商馬車は町を出て、かなりの時間がたってから爆発したっていってます」
「し、しかし!」
なんかもめてる。
「あなたがたは子爵さまの屋敷を爆破しましたか」
兵長さんがこちらに話しかけてきた。
「してません」
「兵長!爆破したかと聞いて、はいやりました~ なんて言うやつはいませんよ!」
ニゼクブアが叫ぶ。
「ほんとにやってません。魔道具は売りましたが使い方を間違えると爆発すると説明はしましたよ。まさかほんとに爆発させるとは思いませんでした」
「おのれ、ぬけぬけと! ゆるしませんよ! 兵長、町を攻め滅ぼしなさい!」
「ぼっちゃん町を滅ぼしたら子爵さまに怒られますよ」
「そ、そうだった。父上は町を欲しがっていました。なら あいつらを血祭りにあげなさい」
「男爵さまがいます。いいんですか?領主代行に手を出したら国王さまから子爵様が罰せられますよ」
「で、では あの行商人を八つ裂きにしなさい」
「我々が取り逃がした賊を捕らえて壊滅させたんですよ。こちらのほうがやられる可能性があります」
「100人の兵団で負けるわけがないでしょう!」
「そもそも、町の中に入れないじゃないですか」
「ぐぬぬ」
兵長さんがとめようとしてくれている。
「ここで言い争ってもしかたないでしょう。王都の裁判で決着つけましょう」
「ぐぬぬ。いいでしょう。行商人、望むところです」
裁判で決着をつけることになった。
これで話はついた。兵団に攻められることはなくなった。
脅しだったとしても ほっとした。
しかし・・・
「ニゼクブア!15歳までおねしょをしていたあなたには負けません!」
しまった!チマキ町長に「見守っていてね」と頼むのを忘れてた。
ドンセシュ町の行商のときはマッキーに変装していたので黙っていてくれたが 言い忘れてた・・・
チマキ町長は前回の行商で品物をかすめ取られたことを忘れていなかった。
さっきの「町を滅ぼせ」という物言いも含めて怒りが再燃したのだろう。
子爵の長男を呼び捨てにしている。
「な、なぜそれを。ふん ほざいていなさい。失礼します」
ニゼクブアは兵隊を引き連れて帰ろうとした。
しかし・・・
「まて!」
町長が止める。
「な、なんですか。裁判で決着をつけるということで 話はおわったでしょう男爵」
「15歳までおねしょをしていたニゼクブア!もちろん裁判で白黒はっきりさせようではないか!」
「も、もちろんです。勝つのはわたしたちですがね。では失礼します」
ニゼクブアは兵隊を引き連れて帰ろうとした。
しかし・・・
「まて!15歳までおねしょをしていたニゼクブア!貴様たちの悪行を必ずあばいてやるぞ」
チマキ町長は逃がさなかった。
しかも、貴様呼ばわりしている。
「ぼっちゃん。15歳までおねしょをしていたんですか?」
何度も出てくるワードが気になったのか、兵長さんがニゼクブアに聞く。
「し、していない」
「うそをつくな!15歳までおねしょをしていたニゼクブア!うちの2人しかいない従者に調べさせたのだ!まんねん人手不足な中、仕事をほっぽりださせて大量の書類を山のようにため込んでまで集めた情報だ!間違いない! 1週間徹夜しないと終わらないほど仕事をため込んでまで調べさせたのだ!」
なにしてんだこの町長は。ちゃんと仕事しなよ。
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