第147話 ゲキワ君
しっかりした執事か家令が必要だとおもったけど、お子が優秀だ。
「ありがとうございます。お気持ちだけでじゅうぶんです」
俺は心からそう思った。
ノモクロで鑑定すると健康になっているので大丈夫だと思うが
寝たきりだったので体力は弱ってるはず。
子供なのでミルク飴、べっこう飴と、はちみつレモンジュースを薬の代わりに数日飲んでもらった。
「この飴というのは甘くておいしいです。この飲み物も甘酸っぱくておいしい。この世の物とは思えないおいしさです」
ゲキワ君は飴とはちみつレモンジュースが気にいったみたいだ。
「なに?そんなにおいしいの?お母さんにも1ついい?」
「ダメです。これはぼくのお薬です。子供の薬をとる親がいますか」
「そ、そうね」
ゲキワ君に飴をもらおうとして婦人が怒られた。
「そうだよ。ゲキワの薬なんだから。あ、いてて、急にお腹が、父の腹痛は、そのジュースを言い値で もらわないと治らないかも」
伯爵はお腹を押さえて、はちレモジュースをもらおうとする。
「ちちうえ。お腹が痛いなら飲まないほうがいいですよ。くだってしまいますから」
「そ、そうだね」
伯爵はジュースをもらえなかった。
飴もジュースも家族ぶん置いていこう。
そしてゲキワ君の体力が回復したら駄菓子をあげよう。
経過を見ながらゲキワくんと話をしたのだが、とても頼りになる。
町の予算や計画書をみて
「ちちうえ、これではダメです。ここはカクカクシカジカにしないと経済が立ちいきません」
「そ、そうか。言い値じゃだめなんだね」
「あたりまえです。言い値でやっていたら破産してしまいます」
「そ、そうだね。ゲキワに言い値でまかせるよ」
「そして、これもダメです。なぜこんな二束三文のものを10倍近い値段で買ってるんですか。これでは5年かからずに破産してしまいます」
ほんとにその通りだ、子爵のところで購入した書類を見たのだろう。
「言い値で買ってたからね」
「ちちうえは人が良すぎます。ははうえもなにか言ってください」
「そうね。でもこうして家族で元気にやっていけることが一番ね。わたしはうれしいわ」
婦人はゲキワ君を抱きしめる。
「僕もうれしいよ。3人でこうして普通に言い値で過ごせるなんて、もうないと思っていたから」
伯爵もゲキワ君と婦人を抱きしめる。
親子3人仲がいい。
いい家族だね。
貴族は偉ぶってる(ネカオ子爵みたいな)のが当たり前と思ってたけど、こんないい人たちもいるんだね。
ゲキワくんがいればこの領地は立て直せるかも。
なんせ天才少年だから。
書類をみてどうすればいいかすぐに案を出してしまう。
町の未来が明るくなった気がする。
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