第155話 バーベキュー




王都へ向けて出発したが、やはりノモコズの馬車が遅い。


ロバを2頭にして農業馬車に4人乗り出来ていることがすごい。


ゆっくりでも1泊2日で到着するので問題はないのだが感心してしまう。




日が傾いてきたので野宿することにした。



「では夕食にしようか」

王族ズや護衛隊は魔法袋から店で買った料理を出して食べようとしている。



そこで

「みんなでバーベキューしませんか」

提案してみた。


「ばーべきゅーとはなにかな」

「なにかしら おいしい料理?」


「はい。おいしい料理です。」


「なにをするのだ?」

「外で肉や野菜を自分で焼いて食べるんです」


「冒険者はよくやるぜ」


「おれたちもやったことはあるけどよ」

「まずくはなかったっすけど」

「うまくもなかったす」

「オジキがゆうんだからうまいんすかね」


王族ズ チマキ町長 ケブヤ ノモコズが言う。



「だまされたと思ってやってみましょう」

ノモコから鉄板とコンロを出してもらって用意する。


そしてオーク肉と野菜を焼く


ジュー!ジュー!ジュー!ジュー!


「まずは王子からどうぞ」

焼きすぎず全体に火が通ったところで

地球の秘伝のタレが入った皿に肉を入れてに王子に渡す。


「肉を焼いただけじゃないか。さすがにこれは・・・」

王子は恐る恐る肉を食べた。

すると・・・



「う うまーい!なんだこのうまさは!まるでワイバーンの肉のようだ!オークの肉とは思えない!」

王子は自分から焼けた肉を鉄板から取るとタレにつけて ハフハフ言いながら食べ始めた。




ワイバーンの肉って食べれるのか。


「熱いですから慌てて食べると火傷しますよ」

忠告しても聞こえていないようだ。

夢中になって肉を食べている。



「そ、そんなにおいしいの?」

王女にもタレ入りの皿を渡して肉を食べてもらった。


「おいしい!オークの肉はワイバーンの肉よりおいしかったのね!」


王女は目を見開いて自分から焼けた肉を鉄板から取るとタレにつけて ハフハフ言いながら食べ始めた。


ワイバーンの肉って高価なのかな。



ワイバーンの肉がどんなのか分からないけど

オーク肉よりうまいのは確実だろう。


タレがうまいから肉もうまいと感じているのだろうけど

日本の焼き肉のタレでワイバーンの肉を食べたらどうなるのか、考えていると





「おお!うめー!このタレが決め手だな」


「きょうだい。これはすげーな。高級料理だぜ」

「「「オジキ!うめーっすよ!」」」

ケブヤもノモコズも食べて絶賛している。


チマキ町長は

「うおー!わたしは猛烈に感動しているー!オーク肉がタレひとつでこんなにも美味になるとは!」

焼きたて熱々なのにパクパク食べ始めた。


口の周りはタレだらけにして「うおー!」と叫びながら食べている。


山岳跡だから魔物はいないだろうけど、ほかのところだったら叫び声で寄ってきそうなくらい

大きな声だ。


護衛隊の人たちも

「うまい」「焼いた肉がこうもかわるのか」「このタレは買えるのだろうか」

などなど好評だ。



肉の串焼きも美味しいが薄切りの焼きたて肉と焼き肉のタレは最高だ。



王女は野菜も食べて「このタレは野菜にもあうわ!」と大好評だ。

その一言でみんなも野菜を食べだした。


「野菜も高級料理に変わったぞ!」

「タレやソースで料理の味がこんなに変わるのか!」

「野菜だけ焼いてもこのタレがあれば不満はない!」

などなど

焼き肉のタレが大好評だ。


少しなら王族ズや護衛隊に売ろう。



よほどおいしかったのだろう。


王族ズはお腹がぽっこりでるほど食べていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る