第154話 王都へ向けて!




町長のところに新しい事務員を採用した。


これで秘書ズも負担が軽減するだろう。



お店は秘書ズに任せないことにした。



帰還後に再開する。


「おいしいものがー」

「つまみ食いがー」


といっていたが

まずは仕事を終わらせてもらいたい。


とりあえず 差し入れをしておいた。


ルフダンワ亭で出すメニューではなく つぎの新メニューに追加にするやつだ。

食パンとジャム類(イチゴ ピーナッツ ブルーベリー)の「パンセット」と紅茶を置いてきた。


「うれしいです。甘味です」

「お仕事頑張れます。確実に」

「ありがとうございます。いただきます」

と喜んでいた。

数日分あるので大丈夫だろう。


安月給だろうけどイクトムージさんには頑張ってもらいたい。



・・・・



王族ズもそろそろ王都に帰還する予定なので

いっしょに王都に向かう。


王都で出張ルフダンワ亭をやりたいので

いろいろと仕入れてきた。


魔法袋中サイズをもっているが

品物でいっぱいなので

その他の大きなものをノモコのリュックに収納してもらった。


町から王都に向かうメンバーはチマキ町長 ケブヤ ノモコズ

ミマファズだ。

 


チマキ町長は領主代行であり現場にいた証人でもあるから同行してもらう。


チマキ町長は嬉しくてウキウキしている。

袖の下(店の維持費)をこつこつ貯めていたのだろう。


「王都へいったら、あれを見てこれを見て できればあれを買って・・・しかしお金が・・・」などなど


裁判の訴えにいくことを忘れてるんじゃないかと思うほどだ。




ミマファズはいつもどおり店員をまかせる。


ケブヤは焼きそば職人として腕をふるってもらう。


ノモコは荷物持ちとお好み焼きの担当だ。


モブズも店員とお好み焼きの担当だ。





馬車で王都をめざす。

王族ズは王家馬車だ。


王国護衛隊(ロイヤルエスコート)が王族を護衛している。


隊長さんは「お好み焼きそば」の発明者だ。


王族ズも護衛隊も店の品物とお酒を買いこんでいた。






チマキ町長はタクラガ号だ。


ボロボロの馬車で馬のツコンポちゃんがヒーヒーしながら馬車を引いている。


賊が出たら逃げれない激おその馬車だ。


俺とケブヤが乗っていく。


男爵のチマキ町長に御者を頼むのは気が引けるが俺もケブヤも出来ないのでまかせる。











ノモコのところも馬車を用意していた。


「キャプテンノモコ号っす」

「ボスの名前をつけたっす」

「ボスの頭は薄くても名前は濃いっす」


かっこいい名前をつけたなと思ったが、

もってきた馬車は前に見たことがあるロバ引きの農業馬車だ。


はじめてドンセシュ町に行商にいくときに乗って行こうとして断念した馬車なのだがモブズは廃車しないでもっていたようだ。


そしてロバをもう1頭増やして2頭引きにしていた。


そして、このロバ馬車に「キャプテンノモコ号」と名前をつけていた。




「ばかやろー なんで俺らはこんな馬車なんだ」


「ボス。仕方ないっすよ」

「ボスが姉御のところに乗ったら俺たちどうするんすか」

「俺たちだけ歩きなんて嫌っすよ」


モブズはチマキ町長を姉御(あねご)と呼んでいる。


「俺は姉御のほうに乗るから、おめーらだけで乗ればいいだろう」


「いやっすよ」

「ボスも道連れっす」

「ボスが責任者っすよ」


「なんでこんな馬車にキャプテンノモコ号なんて名前をつけんだよ」


「ボスの馬車っすから」

「名前だけかっこいいっす」

「ロバ2頭っすから動くっす」


「せめてよ・・・ロバはなんとかしてくれや・・」

ノモコが泣きそうだ。


モブズが歩きはかわいそうだ。

キャプテンノモコ号で行ってもらおう。



正規ルートで王都に向かうには山岳を迂回する必要があるのだが

じいさんズが駄菓子一袋をかけて魔法勝負で破壊した山岳跡をすすむことになった。


実は王族ズが褒賞の帰りに山岳跡を通って帰った。

すると2泊3日かかるところが1泊2日で帰れるそうだ。


急げば1日で移動できることがわかり、ここを街道に整地する予定らしい。


じいさんズの極大魔法が思わぬところで役に立っていた。











ちなみにミマファズはあとから自転車で王都にくるとのこと。


王族ズに地図を見せてもらったら町から一本道(山岳が消えてるから)なので

日帰り感覚でいけるとのこと。


とても自転車とは思えない。


馬車で1泊2日も 日帰り。

2泊3日の旅になるところも 日帰り。


自転車スキルってすごい便利だ。







よし。向かおう。






いざ 王都へ!

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