第144話 ドライアドがくる1




エルフとすこし話をした。


ドライアドとエルフは友達でドライアドの花の蜜をもらって飲み薬を作るとのこと。


「ゴブリンの集落が出来てるかもしれないので気を付けて」と話すと

「それなら潰した」と言われた。



詳しく聞くと

ゴブリンの巣が出来たのでエルフ戦士3人で偵察にいったら60匹いた。

しかし、リーダー自ら武装してゴブリン軍団を引き連れて出ていった。

巣には雑魚ゴブリン5匹だけになったので巣を潰したということだった。


それって、村がゴブリン軍団に襲われたときだ。

タイミングよくゴブリンの集落を壊滅してくれていた。


チマキ町長や冒険者ギルドが森の探索を計画しているが、大丈夫だと伝えておこう。



お礼に何かあげたいといったら、世界樹の元気がないので水がほしいという。

ミネラル水と植物活力液をあげた。



そして何よりも、エルフの名前が日本人風なのが驚いた。




・・・・




最上薬草をもって村に帰ってきた。





そういえば、ドライアドの花を持ってきてしまった。


モノクロで鑑定すると


ドライアドの花 - - - 状態枯死


完全に枯れてる。

切るとすぐに枯れてしまうのかな。


ドライアドの花に興味があったが枯れてしまってはしかたない。





最上薬草を調合箱にセットした。

回復薬が完全したら伯爵に持っていこう。


ゴブリンの集落がなくなったので一安心だ。


王都に行く都合もあるし、地球で大量に仕入れをしてこよう。



・・・・




翌日


上級回復薬が完成した。



昨日、剪定ハサミで切ったドライアドが心配で

森にいこうとすると

村にドライアドがきた。



「人間 アーちゃんが元気になりました」

「人間 ありがとーです」

「人間 スーパーウルトラサンクスです」



「人間 苦しくないです このたびはありがとうです」


アーちゃんの頭の花はきれいに咲いている。


「よかったね」


「はいです」

アーちゃんは一番会話ができそうだ。






「けんじゃさま。 どうかしましただか」

「森の中から友達がきましたので連れてきました」

クサゴタさんが仕事をしているところにおじゃました。


ホークでベコのふんを作り出して干し草と混ぜている。


俺のうしろからドライアドたちが顔を出す。


「小さな子供たちが友達ですだか。もしかしてけんじゃさまが拾ってきただか」

「違いますよ。精霊のドライアドです」


「精霊さまでしただか」


クサゴタさんのホークのベコのふんに気づいたドライアドたちが騒ぎ出す。




「この人間 う〇ちを作るのです」

「あぶない人間なのです」

「この人間をまさぐるのはスーパー危険なのです」

「この排泄物は花が枯れます」



お。おいおい。

アーちゃんは救いがあるね。


俺のうしろに隠れながらクサゴタさんを見ている。


「けんじゃさま。精霊さまはなんといってますだか。

おらには キャッ キャッ としか聞こえないですだ」


そうか。話せないんだった。


「スーパー危険なうん〇を作る人間と言ってますよ」とは言えない・・・


「た、たくましい人間っていってますよ」


「そうだか。肥やし作りで鍛えてますだで」


ドライアドは素直すぎる。

直訳を伝えられない・・・


このあと肥料が完成するとドライアドはクサゴタさんになついてしまった。

足にかじりついている。



「かわいい精霊さまですだ」

クサゴタさんは子供をあやすように対応している。


しかし、ドライアドたちの会話は・・・







「う○ち人間 栄養を作ります」

「肥やし人間 土を豊かにします」

「スーパー危険な人間 土をよみがえらせます」

「栄養ある土は わたしたち大好きです」

と言っている。


「ヘイサク様。精霊さまはなんといってますだか」


「え、えと。土を豊かにして大地をよみがえらせるすごい人だといってます」



それを聞いてクサゴタさんは上機嫌に肥やしを作るのだった。





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