第143話 ドライアドとエルフ




「人間 きさまはドライアドの花を狙っていたのか!」

耳のとがった人が現れた。


エルフだ。


すごい美人さんだ。



「ドライアドに近づいていたのは 花をとるためか!」


ヒュン! 


また矢を射った。


あぶない。


矢をかわす。



「まってください。違いますよ。話を聞いてください」



「問答無用。人間は信用できない!」

エルフは弓矢をかまえる。



「エルフやめるのです」

「エルフまつのです」

「エルフスーパーとまるのです」


ドライアドたちが俺の前にきて両手を広げてかばう。


「この人間は薬草を再生させます!」

「切られた薬草は次の日に再生してます!」

「この目でスーパー見たのです!」


ドライアドたちは剪定ばさみで切った薬草を観察していたようだ。


「そんなことが・・・できるのか」

エルフは弓矢をかまえたまま固まっている。



「落ち着いてください。さっきもドライアドたちと話して確認して

了解してもらったので花を切ろうとしたんです」



ドライアドに確認した「あること」は


------

頭の花の葉っぱの部分をとってもまた生えてくるか

植物と同じなのか

病気にもなるのか

------など 



これらを確認して、剪定ハサミのことを話したら



切った最上薬草が再生したのを見ていた。


ドライアドの頭の花は植物だと教えてもらった。


植物や薬草や小枝などなら次の日に再生する。


根っこ(ドライアド本体)はしっかりしているのでアーちゃんの花を切り落としてもいいと了承をもらった。



このことをエルフに話した。



「なぜ 人間がドライアドと話せるんだ」

え?人間ってドライアドと話せないの?


「なぜかはわかりませんけど話せます」


「そんなこともあるのか・・・特別な人間なのか・・・」


「ドライアドに悪さしようとしたわけじゃありませんから」


「そ、そうだったのか。すまない。早とちりをした」


「いいですよ。アーちゃんの花を切りますね」


「わかった。まかせる」

エルフからも了承を得たので


チョキリ!




「うーん」

アーちゃんは意識を失った。


「だ、だいじょうぶなのか!」

エルフが眠ったアーちゃんを見てうろたえる。



ハサミの魔石がただの石のようになった。

これは再生する印だ。

トビラから地球に帰るとき 薬草を見つけて何度もハサミで切ったのでわかる。

魔石をセットしたハサミを薬草に近づけると光だし、切ると魔石が石のようになる。



モノクロで鑑定すると


ドライアド・アー - - - 状態再生中



よかった。再生中だ。

ドライアド本体は大丈夫なので花は再生するはず。


「大丈夫。再生中になってます。明日には花が復活してるはずです」


「そうか。よかった」

エルフは安心したようだ。



「アーちゃん さっきより良くなってます」

「花を切ったら良くなってます」

「ウルトラ良くなってます」

ドライアドには状態がわかるのか安心している。





帰るまえにドライアドたち4人にミネラル水をかけてあげた。


チョロチョロ



「おいしい水です」

「人間またくるのです」

「ウルトラサンクスです」

「スヤスヤ」




「まて!名を聞こう」


「俺はワダヘイサクです」


「わたしはエルカワ・フミエだ」



エルフと少しだけ話をして

最上薬草をもって村にかえった。



------

「いい人間もいるのだな」

エルフがつぶやいた。

------








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