第134話 閑話ノモコとモブズの店番
ノモコとモブズがルフダンワ亭を手伝い始めた初日の話
今日は初めての店番の日だ。
「ノモコさんたち今日からよろしくお願いします」
「よろしくね」
ミマファズが挨拶する。
「こちらこそ。よろしく頼むぜ」
「姉さん(あねさん)。よろしくっす」
「お嬢(おじょう)もよろしくっす」
「姉さんとお嬢に教わるっすよ」
「あ、姉さん。いい響きです」
「わたし、お嬢!うれしいかも」
ミマファズは呼び名に まんざらでもないようだ。
「おめーら、ブンセさんとミマファちゃんを変な風に呼ぶな」
「ボス今日は店番頑張りやしょう」
「俺たちもまっとうになってきましたね」
「ボスには嫌な仕事させられてたっすからね」
「すまなかったな おめーら。これからはまっとうにやっていこうぜ」
「「「へい! ボス!」」」
ノモコはノモコ商会をやっていたので商売は なれている。
ミマファズには裏で休憩してもらっていた。
店番初めてのお客さんが来た。
「駄菓子くださーい」
「買いに来たよー」
「おねーちゃんいる?」
(ミマファは小さい子供たちにおねーちゃんと呼ばれている)
子供たちが駄菓子を買いに来た。
「よう いらっしゃい。駄菓子を買いに来たのか」
ノモコが出てくると
「ちびでぶノモコだ。ここでなにしてるんだー」
「あくとくノモコだ。おみせをせんりょうしたのかー」
「はげノモコだ。あくどいことしてるんだろー」
ノモコが利子返済のために高値で商売していたことを子供は覚えていたようだ。
まだノモコに悪感情をもっている子供もいた。
「俺は心を入れ替えたんだ。昔みたいなことはしねーよ」
「しんじられるか。はげー」
「さんだんばらー」
「ちょびひげー」
「このくそがきどもー! しばいてやるー!」
「ボス落ち着くっすよ」
「まっとうになるんでしょ」
「怒ると もっとハゲるっすよ」
「怒りとハゲは関係ねー!」
モブズがノモコを押さえつけて落ち着かせようとするが
「ちびでぶが おこったぞー」
「はげが ひかってるぞー」
「さんだんばらだ。にげろー」
「おまえらのほうがチビだろー!まちやがれー!」
逃げる子供をノモコは追いかけだした。
「「「ボスそっちは危ないっすよ」」」
「え?」
ドン!
「ほげー!」
ノモコは馬車にひかれて吹っ飛んだ。
「チマキちゃん 人をひいちゃいました」
「大丈夫でしょうか。確実に」
「あれはノモコだろう?大丈夫だ。気にするな。町の子供たちと遊んでいたのか」
町長ズのツコンポちゃんとタクラガ号がノモコをひいたのだった。
ノモコはうつぶせに倒れてピクピクしている。
「・・・(ぴくぴく)」
子供たちは立ち止まると ノモコを見る。
そして、走ってノモコに駆け寄る。
子供たちも馬車にひかれたノモコをかわいそうに思って、
心配して駆け寄った。
そう思った・・・・
しかし
「いまだ やっちまえ」
「おらおら」
「よくもおいかけてきたな」
ポコポコ ポコポコ
子供たちは倒れてるノモコを、か弱い力で袋たたきにした。
そして・・・
ブス!
「ほげー!」
落ちてる木の棒を拾って、ノモコのおしりに刺した。
「「「わーい」」」
気がすんだのか子供たちは走り去った。
「くそがきどもが・・・」
「ボスだいじょうぶっすか」
「だからそっちはあぶないっていったのに」
「おしりヤバそうっすね」
子供たちは力が弱いので袋たたきにされてもノモコにダメージはなかった。
しかし、おしりに刺された棒は痛かった。
「あいかわらずアホなことやってるな」
「ノモコさんはアホですね」
「アホです。確実に」
ノモコをひいた町長ズは何事もなかったかのように過ぎ去ったのだった。
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ナレーター 森本○オ風
この3人の子供たちは 将来 両手に 雑巾をもった武道家に 弟子入りする。
そして 数々の 伝説を残す3人組に なるのだが それはまた 別の話。
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