第133話 王族ズと宴会




お好み焼き試食会は好評だった。


王族ズも護衛隊も楽しそうにしていた。


はじめての鉄板焼きもノモコズは上手に調理していた。

あいつらも調理人に向いてるのかも。


このまま お開きにするのも、もったいない気がしてきた。


「みなさん よかったらお酒飲みませんか?」



「そういえば、お店のお酒は飲んだことがなかったね」

「そうね。料理がおいしいのだからお酒にも興味があるわ」

王族ズはどちらも15才前後だと思う。



飲酒してもいいのだろうか。

「僕は成人しているから大丈夫だよ」

「わたしは来年成人なのだけど飲めるわ」



この世界は15歳で成人らしい。

しかし、飲酒禁止の法律はないので大丈夫だそうだ。



「護衛隊諸君もお酒を飲んでいいぞ」

「そうね。今日だけは特別に飲みましょう」

王族ズが無礼講を提案する。



「わたしたちもお酒をいただいてもよろしいのですか。ありがとうございます」

「実はこの店の酒をのんでみたかった」

「隊長も飲みますよね」

「楽しみだなあ」

護衛隊はのりのりだ。


へべれけになるほど飲まないだろうし

俺が飲まなければ、もし物騒なことが起こったとしても大丈夫だろう。

ミマファズもお酒は飲まない。




王族ズに先に選んでもらおうと思ったが、

どれにするか考え中なので先に選んでいてくれという。




「よっしゃ。俺はカクテルをもらうぜ」

ケブヤは一番に名乗りを上げた。

世紀末モヒカンのくせにカクテルが好きなのだ。


「おれはビールだな」「「「俺たちもビールっす」」」

ノモコズはビール派だ。


「わたしも飲もう。ワインをいただく」

「「わたしたちもワインを (確実に)」」

町長ズはワイン禁止にしたのに飲むといいだしてる。

今日だけは許そう。




王族ズも決まったみたいだ。

「僕はいろいろ飲んでみたい。ビールとカクテルとワインを少しずつもらおうか」

「わたしもお酒の味を確認したいから3ついただくわ」

王族ズもお酒を選んだ。



「わたしはカクテルを」

「ビールを」

「ワインを」

護衛隊もそれぞれお酒を選んだ。


俺とミマファズはサイダーだ。




「それじゃ 今日という日にかんぱーーい!」



「「「「「かんぱーーーい!」」」」


王子が音頭をとってくれた。

アホなことをはさんでくるかと思ったけど

そこは王子さまなんだなと思った。



王族ズ

「こ、これは!・・・すばらしい!」

「こんなに味わいがあるお酒があるなんて!」


いまのところ ビール ワイン カクテル の3種類しか置ていないけど

3つとも飲んだ王族ズが驚きの声をあげた。


王女はビールは苦手のようだがワインとカクテルはこの世のものとは思えない味だと絶賛した。


王子は3つとも気に入ったらしく「買い占めしてもいいかい」と言ってきた。


15歳で酒の味が分かるって、まさに異世界だね。



ケブヤやノモコズ、町長ズは飲んだことがあるので驚きはしていなかったが

うんうんと 頷いていた。


護衛隊も

「このカクテルは超高級果実酒だ」「ビールさいこう」

「このワインはどうやって作ったんだ」

と好評だった。


そして、護衛中なのでたしなむ程度にしているので

「売ってください」「家に持って帰りたい」

「帰ったらゆっくり飲みたい」

と買う気まんまんだ。







そして数時間後・・・
























店の中



「あ~ら♪ えっさっさ~♪」

ノモコは酔っぱらってパンツ1丁で裸踊りをしていた。



「「「ボスかっこいいっす~」」」

モブズも酔っぱらている。





「けぼ~ぼおうこく らいにおうじ  ぬぎま~~す」


ノモコをみて王子もパンツ1丁になって踊りだした。


マッパにならないだけ、マシだけどやばい。


「王子に裸踊りをさせた罪で牢刑に処す」なんてことになったら大変だ。



やはり撤回する。アホなことをはさんでくれたほうがまだよかった。





「へへへ、へへへ、兄さま~。ぬぐのら~ ぬげぬげ~」

王女も酔っ払っている。


いつもは たしなめる役目の王女が脱衣を進めている。






護衛隊とめて。





「王子。やめてください。服をきてください」

「王女とめてください」

「飲みすぎです」

「このお酒おいしいですけど飲みすぎです」

護衛隊は王族ズをなんとかしようとする。



しかし・・・























「もっとおどりたいのら~ ひゃっひゃっひゃ」


王子は

お店のお盆を2つ手に持って股間とおしりを隠しながら踊りはじめた。


パンツをはいてるからいいけど マッパだったら大変だ。


「王子にお盆をもって裸踊りをさせた罪にて牢刑に処す」なんてことになったら大変だ。



ノモコが悪影響与えてる気がする。




「いいぞ~~、兄さま~~。マッパになるのら~」


酔っぱらった王女はとんでもないことを言い出した。





やめてやめて。




町長ズも、とめてくれ。



町長ズをみると

「よさぶら~ えら~を~そく~ ほいほいへ~ ほいほいへ~  あひゃひゃ よさぶら さいこ~なのら~」

チマキ町長はへべれけで演歌を歌っている。

いつの間にもってきたのか、自前の顔くらい大きいデカグラスでワインを飲んでいる。

あのデカグラスまだ持ってたのか。



「あは あはは チマキちゃんが2人います」

「あへあへ ここはだ~れ わたしはどこ~ かつじつに~」

秘書ズもへべれけだ。




「おかあさん みんなアホになってるね」

「そ、そうね。どうしましょうね」

ミマファズも困っている。

ミマファはパンイチ踊りを見ても平常だ。



「ヘイサク。まいったな」

ケブヤは酒を飲んだら真っ先に暴れそうな人相なのに飲んでいる中で一番まともだった。







食べたあとにお酒を進めれば飲みすぎないだろうと思ったが・・・



もうお店を開けるどころではなくなり臨時休業にした。







お酒を進めるときは慎重になろうと思うヘイサクであった・・・



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