第128話 魔道具職人グウドマ2
他にも音楽を聞かせようかと思ったが電池の問題もあり、
それに何が起こるか分からないのでやめておいた。
「仕方ないわね。王都で聞かせてもらうわ」
王女はラフランダースの猫OPフルバージョンをあきらめきれないらしい。
おっと、用事を忘れるところだった。
「少し出かけてきます」
みんなは屋敷で合唱会をしてもらって
一人でグウドマさんの工房にいくことにした。
・・・
魔道具店
「グウドマさん」
「やあ 店主ではないか。どうした。なにかほしい魔道具があるのか? ん?ん?」
先日もらった奇抜な魔道具のお礼を言いにきた。
「ブーメラン弓矢とデラックス貯金箱ありがとうございました」
「おお、使ってみたかね。どうだった?」
「弓矢は鍛錬に使っています。矢を見切れるようになりました。デラックス貯金箱は最高の魔道具でした。
どちらも素晴らしかったです」
「おお!そうか!そうか!やはりわたしの発明はすばらしいだろう!」
「もう感謝ですよ。お礼にチョコレートをもってきました」
「すまないね。チョコレートは大好きだ。頭が疲れたとき食べると回復する気がする。ルフダ店主はわたしの魔道具を活用してくれているのだな。日夜新しい魔道具開発をしていてこんなにうれしいことはないぞ。そんな店主におすすめがある・・・」
ゴソゴソ
店の裏にいって何かを取り出してもってきた。
「じゃじゃん!新発明の魔道具だ!」
三角木馬と海水パンツみたいなものを出してきた。
「木馬すごイッス と ポージングパンツだ」
「す、すごいのを作りましたね」
「店主もそう思うかね。今回は実用性にこだわったのだ。見てくれ。このデザイン。 どちらも最高だろう」
どうみてもプレイ用の三角木馬と ブーメランタイプの海パンだ。
「そ、そうですね。さ、さいこうだとおもいます」
「うんうん。店主は見る目があるな。では説明しよう」
木馬すごイッス
「これはな。回復魔道具だ。木馬のひたいに魔石をセットすると重症のケガまで回復できる」
「すごいですね。それは奇跡の魔道具ですよ」
「うんうん。しかしだな、この木馬に しっかりとまたがる必要があるのだ」
「え!三角木馬に乗るんですか?」
「そうなのだ。その点に目をつぶれば問題ない。またがっていると徐々に回復する。股は裂けそうなほど痛いがな」
てっきり木馬にさわるとか抱き着くとかで効果がでるのかと思った。
「そ、そうなんですね・・・」
見た目は完全な三角木馬なんだよね。
命がかかっていたら背に腹は代えられないとおもうけど、人として大事な何かを失う気がする・・・
ポージングパンツ
「そして、これはわたしの最高傑作だ」
「そんなにすごいパンツなんですね」
「そうだ。このパンツで1丁になってパンツを隠すポージング(全裸にみえるポーズ)をするとバリアがはれる魔道具だ」
「バリア?」
「すごいぞ、ドラゴンブレスもガードできるバリアがはれるのだ」
「そ、それはすごいですね」
「そうだろう。ポージングしただけで勝手にバリアができると不便なので、
【へい!】という詠唱(掛け声)をするとバリアがはれる仕組みにした」
こんなパンツだれが装備するんだ・・・
「ほ、ほんとに最高傑作ですね」
「股間の上部に魔石をセットする必要があるのだが、小魔石1つで10ポージングまで可能にしたのだ」
「10ポージング?」
「1つのポーズでバリアを作ると同じポーズでバリアをはるには24時間の再使用時間が必要になるのだ」
「な、なるほど。再度バリアを張るときは違うポージング(パンツを隠すポーズ)になる必要があるというわけですね」
「さすが店主 呑み込みが早いな」
機能は最高クラスなのかもしれないけど
ドラゴンブレスを防ぐ機会がくるかどうか・・・
見た目は完全なブーメランパンツだし・・・
魔石をセットする場所はパンツの前のところか・・・
これも人として大事な何かを失う気がするんだけど・・・
これを手にする人は どんな変わり者なのだろう。
「これをプレゼントしよう」
えええ! どっちも使うには ある意味勇気がいる魔道具でしょ!
「い、いや。でもせっかくの貴重な魔道具ですから」
「だからこそだ。使って感想を聞かせてくれ」
「い、いや。しかし・・・」
「遠慮するな。大サービスだぞ。こんな性能の魔道具はないのだぞ」
たしかに、こんな性能の魔道具はどこを探してもないと思う。
「くそー、ブーメランパンツの魔道具がどうしてないんだー。すげーほしいのにー」なんて、探す者もいないだろう。
ことわっても、もらうまで進めてくるだろうし・・・
「そ、そうですか。で、では、ありがたく いただきます」
こうして見た目、三角木馬とブーメランパンツをもらった。
「これを手にする人は どんな変わり者なのだろう」と思ったが
それは・・・俺だった・・・
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