第127話 スマホで合唱会




ラフランダースの猫のOP曲を聞かせると




「え!でーぶいでーの歌と違って長いわね」

王女はほんとにめざとい。



「そういえば」

「「ながいです(確実に)」」

町長ズも気づいたようだ。


「アニメだと短縮バージョンなんです。ほんとの曲はもっと長くて2番3番もあるんです」



歌を教えてほしいというので

ラフランダースの猫のOP曲フルバージョンを翻訳すると

町長の屋敷が合唱会のようになってしまった。



「「「「「「ルルル~ ルルル~ ・・・ わすれーないよー このロードを タマラッシュと はしったー 」」」」」


俺は 音楽再生係になり 何度も何度も繰り返し再生した。


町長ズと王族ズも みんなで肩を組んで仲良く歌っている。


歌の力ってすごいね。

心が一つになるね。




ただ、一人だけ・・・

















ヘビーに歌う人がいた。





「チマキちゃん ちゃんと歌ってください」

「そうですよ。なんか違うんですよ。確実に」

秘書ズはこうゆうことには厳しいらしい。



「失礼な、ちゃんと歌っているぞ」



「男爵の歌は重いのよね」

「そうだね。なんか重量感を感じるね」

王族ズも言う。




ヘビーに歌うのはチマキ町長だった。







「あ 間違えた」

間違えて違う曲を再生してしまった。




「よさぶは~ 枝を削そぐ~ ほいほいへ~ ほいほいへ~~」


上北島与三郎の「よさぶ」を再生させてしまった。



「おお この歌はしぶいね 心にしみいる」

「兄さまはこうゆうのが好きなのね」

演歌は王族ズ兄が好みのようだ。



「ほんとにしぶいですね」

「なんかウキウキしませんね 確実に」


秘書ズはあまり好きそうじゃない。


しかし・・・




一人だけ涙を流し感動してる人がいた。




「こ。これは! すばらしい!感動した!わたしはこの曲に惚れたぞ!」


チマキ町長だ。


え?演歌だよ。

よさぶって人が枝を切って鼻うた歌ってる曲で泣いてるの?


ことのほか演歌が気に入ったようだ。


翻訳してほしいというので教えると歌いだした。


「よさぶは~ 枝を削そぐ~~(こぶし) ほいほいへ~ ほいほいへ~~(こぶし)」


おお いい感じだ。


しっかりとこぶしが効いた演歌になってる。


「チマキちゃん うまいです」

「さっきまでのがうそのようです 確実に」

秘書ズがほめる。


「ほんとね。重い感じがマッチしてるわ」

「うん。歌にマッチしてる重量感だね」

王族ズも褒める。



「すばらしい歌だ!(涙)」

チマキ町長は涙を流しながら喜んでいる。



チマキ町長には演歌があってるのかも。


「なにか違う感じ」「重い」というのは

ノリノリの歌には合わないところだった。


「重く歌う」を例えるなら、森的な真一さんがラフランダースの猫のOPを歌う感じだろうか。


でも、チマキ町長にはなんとも言えないザンネンさが さらにプラスされたような気がする。






このへんでお開きにしようと思ったら


王女は王城で音楽を再現させるため すまほを譲ってほしいといいだした。



「王国演奏団に聞かせて曲を再現させたいの」


しかし、

電池の問題もあってDVD同様ゆずれない・・・どうしようか


考えていると




王子とチマキ町長が一緒に演歌を歌いだした。


「「よさぶは~・・・ほいほいへ~」」



王女と秘書ズがラフランダースの猫を歌い、

チマキ町長と王子が演歌を歌う。


「「わすれーないよー よさぶは~ タマラッシュと 枝を削そぐ~ 川に~つづく ほいほいへ~」」


2曲がミックスされてすごい歌になっていた・・・






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