第126話 スマホを気に入る王族ズ
「実はね・・・また でーぶいでー をみたくて」
「僕も見たかったから ついてきたんだ」
え!
またあの地獄のDVD鑑賞会を開くの?
前回の朝までコースの超過酷DVD鑑賞会を思い出した。
町長ズものりのりだ。
「ラフランダースの猫をまた見たい」
「ノロちゃんみたら泣きそうですけど見たいです」
「最初から最後まで見たいです」などなど
冗談じゃないよ。身体がもたないって。
絶対にことわるぞ。
「すいません。DVDプレイヤーを動かす電池という燃料がないんです。王都に行くまでには用意しておきます」
ほんとは電池を用意してあるけど、なくて動かせないことにしておこう。
「そう・・・残念・・・」
王女は心底残念そうだ。
「僕の股間パワーで でーぶいでーを動か「できません!」・・・」
つい 俺がツッコんでしまった。
「いいツッコミだね。気に入ったよ」
王子に気に入られてしまった。
この王子にだけは気に入られたくない・・・。
「そうだわ!その魔道具の すまほ でなにか出来ないかしら」
この王女は目ざとい。
さっきは録音の魔道具といったけど、電波が通じたら異世界でスマホを使うことになる。
ここで出来ませんと言えば、あとで支障をきたす可能性がある・・・
「・・・できますよ」
「出来るのね。何ができるの?」
王女は興味津々だ。
「そのまえに 裁判のときには協力をお願いできますでしょうか」
「まかせて」
「まかせてくれたまえ。僕の股間エネルギ「バシ!」 痛たっ!」
「いわせませんわ!」
王女が棒で王子をシバいた。
「た、たわむれだよ。暴力反対」
「これは母さまから預かった王家の家宝<シバキ棒>です。兄さまがアホなことをいったらシバキなさいと渡されたものです。シバくたびに回数がカウントされます」
「母上め。かわいい息子のハイセンスなギャグを分かってくれないのか」
王子が泣いてる。
なんてザンネンな王子なんだろう。
「王子がセンスの悪さに気づくのはいつになるのだろうか」
「ないと思います」
「あっても50年後だと思いますよ(確実に」
町長ズがひそひそ話をする。
お下品すぎてセンスが悪いことに気づいていないのは第二王子だけだった。
それはさておき、
王子王女に協力してもらえれば裁判は有利になる。
スマホで音楽を聴けることなどを話した。
「あらためてすごいわね 魔道具の宝石箱だわ」
王女が某食レポの「〇〇の宝石箱や~」みたいなことを言う。
「ほんとだね。音楽を聴けるっていうのは箱に記憶させるってことなのかな」
王子も すまほに興味深々だ。
「それも出来ますけど こんな感じです」
SDカードに記録しておいたラフランダースの猫のOP曲を聞かせた。
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