第124話 裁判を検討
「それなら王都に裁判所があるから訴えるといいよ」
と助言をもらった。
「訴状はわたしにまかせてくれ」
チマキ町長が訴状を作ってくれるそうだ。
さすが町の代官。チマキ町長もその場にいたからね。
日本でも工場に勤めていたとき 裁判に立ち会ったことがある。
俺が務めていた会社は小佃煮製作所というロケットエンジンのバルブを作っている町工場だった。
特許侵害で大手の会社から訴えられたことがあった。
特許侵害などしていないのに難癖をつけて工場と技術を合併吸収しようとする あくどい会社に訴えられたのだ。
あやうく技術ごと合併吸収させるところだったが
コミカドなんとか とかゆう無敗の弁護士に依頼して裁判には勝てた。
しかし、弁護士報酬が高すぎて会社が傾いたのだ。
そして不景気になり社員を減らす方針になり、俺は工場をやめた。
いまはどうなっているだろうか。
やめた俺には関係ないか。
とりあえず王都の裁判所に訴えてみることにした。
どのみち行商のため王都に行かなくてはいけないし王城にも呼ばれてるんだった。
訴えが通らなければ、それはそれで構わない。
国王に直接告発する。
王子王女と知り合いになっていてよかった。
「この薬(もどき薬)を裁判所に証拠として提出しようと思います」
「そうだね。子爵の非を証明する大事な証拠だから頼むよ」
「ありがとうございます」
よし、王都の裁判所に訴えにいこう。。
「伯爵さま。ご子息ゲキワさまは大丈夫ですか?」
チマキ町長が伯爵に聞く。
「高価な回復薬で治らないなんだ。息子のことはあきらめたよ」
伯爵がうつむく。
高価な回復薬とは、もどき薬のことを言っているのだろう。
モノクロ鑑定の結果は誰にも言っていない。
「大丈夫ですよ・・・きっと大丈夫ですよ・・・」
ノモコが伯爵を励まそうとするがなんといっていいか分からないようだ。
「そのことなんですが もしかしたら治るかもしれませんよ」
「本当かい!息子が治るなら言い値でお礼するよ!なんならこの屋敷をあげるからね!」
草ボーボーの伯爵邸を上げると言い出した。
「いやいや、屋敷をもらうのは遠慮します。草ボーボーですし・・・」
「なんなら僕も草狩り手伝うから」
そうゆう問題じゃないんだよね。
「の、望みは考えておきますので」
「なんでもいってね。言い値でお礼するからね」
この伯爵にはしっかりした執事がないと ほんとにやばいよね。
「ヘイサク殿 ほんとうか」
「きょうだい ほんとに治せるのか」
「たぶん なんとかできると思う」
というと伯爵もチマキ町長もノモコもハイジャンプして喜んでいる。
ぬか喜びにさせないようにしないと。
さいわい、急を要するほどの病ではないので近いうちに
最上薬草があるエルフの森へ行こう。
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