第110話 ケブヤの特技
デカマッシュに行列ができている理由は・・・・
どうやら人相以外にあるみたいだった。
マッシュルームカツラに はちまきを巻いてエプロンすがたで 焼きそばを焼いている。
何十年もやっている職人のように見える。
モブ3人は品出ししている。
「うめー」「このやきそばってのはうまいぞ!」
「糸みたいだが食うとうまいぞ!」「こんな料理ははじめてだ!」
小さな露店では立ち食い状態になっていた。
やはりこの世界にはパスタがない。
ドンセシュ町でも「太い糸」という表現をしている。
王都に行ったら王族ズにパスタを教えるのもいいかもしれない。
「焼きそば早くたのむ」
「こっちもだ」
「わたしのほうも」
大混雑していた。
「あがったぜ。おめーらもってけ」
ケブヤは踊るように焼きそばを焼き上げていく。
「焼きそば できたっすよ」
「お持ちするっすよ」
「おまちっす」
モブ3人も品だし頑張っている。
すると町民から・・・
「あの焼きそばを焼く姿は芸術的だな」
「ああ 男気を感じるぜ」
「あのマッシュのおっさんはただものじゃねーな」
「ありゃ名のある調理人だぜ」
「神技だわ」
「あれは王都あたりからきた天才調理人だな」
焼きそば的屋のおっさんケブヤは 「すごうでの調理人」と思われていた。
ペッギリニ町よりも賑わいのある町なので500人前の焼きそばを用意した。
絶対に余る量を用意したはずだったのだが・・・すべて無くなった。
前回とはうってかわってデカマッシュの焼きそば露店は大盛況だった。そして、ケブヤに握手を求める町民まで現れた。
「あの、握手してください!」
「お、おう」
握手をお願いされて
慣れない手つきで握手をする。
「職人の手だわ。この手でおいしい料理が作られるのね」
「い、いや~」
ケブヤは照れている。
ケブヤよ。おまえはやっぱり調理人に向いてるぞ。
焼きそば以外にも教えたら、なんでも調理できそうな気がしてきた。
借金も残り金貨147枚となった。
次回、調味料を用意すれば金貨143枚ぶんになる。
足りない分金貨4枚は俺が立て替えてノモコにツケておこう。
次で最後にしたい。
あんな守銭奴とは関わりたくない。
もう1回、子爵に売り付ければ耳揃えて全額返済できる。
ーーーーーーーー
ケブヤの焼きそば露店の売り上げ
焼きそば1皿 銅貨20枚(2000円)x500食 =金貨1枚(100万円)
ーーーーーーーー
そのあとシチューとカレーを売り出した。
「またカレーが食えるぞ」
「シチューもだ」
「俺はおかわりずるぞ」
などなど またまた大好評で完売した。
マッキーは豪快な店員っぷりで人気になった。
タシンサ タシテ ボノクデもそこそこ頑張っていた。
「どこからきたんだ」
「また来るのを待ってたんだ」
「次も待ってるからな」
ペッリギニ町から来てるといいたかったが、まだ子爵に知られたくないので
どこから来たのかはあえて答えなかった。
今回も料理はドンセシュ町民に歓迎されながら大好評だった。
二度目のドンセシュ町 行商は子爵に会い、商談成立までできた。
もうちょっとだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます