第109話 商談
王子王女の話を出すと態度が変わった。
「ま、まて。さきほどのは冗談だ。金貨5枚でどうか」
やっぱり相場を知ってた。
脅せばビビっていいなりになるとでも思ったか。
最初はサンダル込みで金貨5枚でいいかも と思っていたが・・・
「話になりませんね。子爵さまはフードの商人をご存じですか?」
「あの男を知っているのか?」
調味料をだす
「こ、これは砂糖と塩とコショウ! それに味の素ではないか」
「フードの商人とは知り合いでしてね。相応な金額で取引していただけるのなら調味料のほうもお売りいたします」
「わ、わかった。金貨10枚で買おう。調味料を見せてくれ」
「わかりました」
砂糖30kg 塩30kg コショウ1kg 味の素5kg
を見せた。
「全部買おう」
即答で 砂糖金貨10枚 塩金貨3枚 コショウ金貨10枚 味の素金貨20枚 の金額を提示された。
すごい!
ステンやガラス製品なんかより全然儲かる。
やっぱり売ろう!
強欲な子爵だけど好条件なら話は別だ。
これだけの砂糖とコショウを見たのは初めてだったのだろう。
目を見開いて驚いていた。
味の素も知っていた。ほんのひと振りで超高級料理になる魔法の粉だ。
全部で金貨10+43枚になった。
品をみせ交渉成立、
品物を渡し代金を受け取った。
子爵本人に会えるならもっと用意しておけばよかった。
残る借金は金貨147枚だ。
「子爵さま。調味料はお気に召しましたでしょうか」
「おお 気に入ったぞ。 砂糖とコショウをこれだけ見たのは始めてだ。ふぉっふぉっふぉ」
二束三文で買い叩こうとしたときと態度は違った。
「よろしければ 次回も取引いただけないでしょうか」
「調味料を用意できるのか?」
「はい。よろしければたくさんご用意いたしますが」
「そうか。では砂糖100kg(33枚) 塩200kg(20枚) コショウ5kg(50枚) 味の素10kg(40枚)用意できるか?」
「もちろんです。ご用意いたしましょう。」
「よし。それで頼む!」
「商談成立ということで。次回もよろしくお願いします」
「ふぉっふぉっふぉ」
キース・ネカオ子爵はごきけんで屋敷を送り出してくれた。
金貨143枚ぶんの注文を取れた。
これで次の取引でなんとかなる。
ここの領主に調味料を売っていたのはルウナシーイだったのか。
ルウナシーイが調味料にこだわる理由がわかった気がした。
ステン製品より砂糖3kgのほうが圧倒的に高い!
ほんとに
めずらしいものが大好きで守銭奴のような領主だ。
買い叩こうとしたり、脅そうとしたり、油断もすきもあったもんじゃない。
カレーとシチューを食べさせようとしたけど強欲すぎる子爵だからやめた。
屋敷からでて街にいく。
「あの子爵はほんとに強欲なんだよな」
「行商に来てよかった。あのままにしていたら伯爵家が滅ぶところだった」
ノモコもマッキーも子爵は嫌いなようだ。
「しかし、さすがヘイサク殿だ。守銭奴子爵相手によく巻き返したものだ」
「俺も交渉決裂かと思ったぜ」
「あの子爵は苦手だよ」
俺も早くこの件を終わらせたい。
・・・・
ケブヤとモブ3人には露店をやってもらっていた。
前回の世紀末モヒカンではないからか露店には行列ができていた。
人相が違うだけで こうも変わるものかと思っていると
行列ができている理由は・・・・
どうやら人相以外にあるみたいだった。
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