第120話 女神さま 電波塔は?
「お供え待っておったぞ」
「お供えがちょっと遅れたら 嫌がらせするのやめてくれませんか」
「なんのことかの」
「ひそひそ声で おそなえ おそなえ ってつぶやくでしょう」
「ま、まあ 忘れないようにと思っての」
「忘れませんから大丈夫ですよ」
「それならグッジョブじゃ」
「そんな言葉どこで覚えたんですか」
「電波うんぬんかんぬんで地球を見れるようになったからの」
「そういえば 電波塔はどうなりましたか」
「順調じゃぞ。電波塔は 半分完成したぞ」
「おお さすがですね」
「うむ まかせるのじゃ」
「DIYでも うまくいくんですね」
「大丈夫じゃ すこしゆがんで傾いとるがモーマンタイ(問題なし)じゃ はっはっは」
「ゆがんで傾いてるのですか?」
「気にせんでいい。電波が通ればいいからの」
「そ、そうですけど。地球とつながるんですか」
「地球とつながるのとは ちと別じゃな。時間がちがうからの。こちらの世界に電波を通しても地球には届かん。地球の電波をこちらの世界に通して、こちらの世界で使えるというだけじゃぞ。」
「なるほど」
確かに時間が違うわけだから地球と異世界で通話は出来ないか。
でも異世界でスマホが使えるのは嬉しい。
「しかし地球とは恐ろしいところじゃの」
「なぜですか」
「油断してると おへそをとられるというではないか」
「え?」
「母親が子供にゆうておったぞ ポンポンを出して寝ると おへそをとられると カミナリのときには おへそを隠さないと とられるとか 恐ろしい世界じゃの」
女神さまは 子どもをあやすのに言った母親の言葉を真に受けたのか。
なんて残念な女神さまなんだ。
「だからわらわも腹巻きを装備したのじゃ 地球にかかわりをもつようになったからの これでポンポンを守れば おへそを取られずにすむじゃろ」
「ねじりはちまきに腹巻きしてるんですか」
「そうじゃぞ わらわは無敵じゃ。はっはっは」
女神さまが おっさん化してる。
「あ、ある意味。無敵ですね」
「そうじゃろう そうじゃろう
電波塔が完成したら おぬしを神界に呼んでやるから楽しみにしておるがいい」
え?呼ばれたくないんだけど・・・
「いや・・、その・・、まあ・・、神界は遠慮します」
「遠慮せんでこい。電波塔が完成したら教会でお祈りするがよい。特別大サービスでお供えなしで神界に招待するからの」
「ま、前向きに検討しておきます」
「うむ。くるしゅうないぞ」
神界に行って戻ってこれないとかありそうで行きたくないんだけど。
この女神さまはチマキ町長と同類な気がするんだよね。
「女神さま感謝します」
とりあえず頑張ってくれてるみたいだから感謝しておこう。
「よいよい。まあ お供え もっとしてもいいのじゃぞ」
「しますよ。これから駄菓子を それに チョコレートもクッキーもたくさん追加で お供え します」
「駄菓子ほしかったのじゃ 全種類頼むぞ チョコもクッキーも嬉しいのじゃ やった♪」
お供えを追加したらたいそう喜んでくれた。
まるで子供のように。
明日は3度目のドンセシュ街に行商に行く日だ。
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