第101話 強くなる秘訣




賊たちを縛り上げてモブズに下級回復薬を飲ませた。


モブズはかなりやられていた。

完全回復はしないがある程度回復した。


「ノモコの部下たち助かった。ありがとう」

チマキ町長がお礼を言う。


「オジキの指示っすからね」

「当然っすよ」

「まかせるっす」

やられながらも逃げなかったモブズえらいぞ。



「あの数の賊を捕縛するとは、さすがヘイサク殿だ。ケブヤも強いな。ノモコは意外に・・・やるのだな。 わたしにもちからがあれば・・・くっ・・」

マッキーは悔しそうだ。


「「「オジキやアニキには及ばないっすけど ボスはやっぱり強いっす」」」


「あたりめーよ!いいか 兄弟やケブヤの旦那が強すぎるだけだ」

ノモコズが騒いでいる。




「キース領は物騒だな」

俺がつぶやくと


「それはな兄弟 カタユ伯爵領は貧乏(最果ての地)だから悪党が住み着かないのさ。ドンセシュ町は大きな町だからシチューもカレーも大量に持ってきたのにすぐに売れちまっただろ。金や人が集まるところには良からぬやつらが集まってきて街から出てくる商人なんかを狙ってるのさ」


なるほど。

発展しすぎるのも考えものだ。



「しかしおかしいな」

「なにがだ」


街から出た馬車を見て狙ったのではなく街の中から見ていたのでは?


なぜならタクラガ号はオンボロ馬車だから。

こんなボロ馬車に乗ってるやつが金を持ってると思うはずがない。


賊はドンセシュ街の中にいるはず。


次もきっと狙われる。


そう思って賊を尋問して吐かせた。





(尋問中)





白状した。


アジトは街の外にあるが、仲間が街の中で目星をつけて、外の仲間に連絡する。


そして街からでて人気のない峠で襲う計画だそうだ。




リーダーを締め上げると


連絡係りの仲間から2人ガラが悪いやつがいるが全員料理屋だから平気だといっていた。武器は棒切れで防具なしの3人が護衛で馬車はおんぼろだが稼いでいると報告を受けて待ち伏せしていたそうだ。



「なんでこんなおんぼろ馬車なのに強いんだ」

とリーダーは悔しがっていた。


「おんぼろって言うな!使いこまれて あじがあるっていえ!そもそもこの馬車はな・・ガミガミ・がみがみ」

チマキ町長が怒って馬車の歴史を語り始めた。




ちなみに尋問方法は賊どもの頭をビール瓶粉砕機にした。


パリン! 「ほげー!」

パリン! 「ほげー!」

パリン! 「ほげー!」



ぽっぽ! ぽっぽ! ぽっぽ! と時間がきたら鳴る鳩時計のようだった。





ドンセシュ街に戻り門兵に賊のこと、手口のことを話して身柄を引き渡した。


「なんと!そんなことが!申し訳ない。我々の管理不行き届きであった」

兵長さんが街中を厳しく取り締まり賊を壊滅させるといっていた。





兵長さんは真剣そのものだし、

賊が街中でカモを物質してるのを放置すれば貴族の面子がないだろうから子爵は関わってないと思うけど。



ただ 物騒すぎるね。




・・・・




一人で馬車の近くにいると

「オジキ 俺たちを鍛えてほしいっす」

「俺も戦えるようになりたいっす」

「お願いしますよオジキ」

タシンサ タシテ ボノクデが戦えるようになりたいと言い出した。


ノモコに鍛えてもらえばいいだろうに。

なんで俺なんだよ。


面倒だ。

適当に誤魔化そう。



「わかった。そこまでいうなら」

「「「ありがとーごぜーやす」」」


「鍛えはしないよ。教えるだけな。自分達でコツを掴むように」


「「「わかったっす」」」


「強くなる方法は簡単だぞ。3対1にすればいいんだ」

「3対1?」


「そうそう。三人で一人をフクロたたきにするんだよ」

「さっき3対1でやられてたんすけど」


「それは相手のほうが強かったんだろ。でも一人が後ろから襲いかかれば何とかなったかもよ」


「卑怯っすよ」

「なんでもいいんだよ」



「相手が複数の時はどうするんすか」


「1人だけおびきだしてフクロにする」

「卑劣っすよ」


「卑怯だろうが卑劣だろうが こっちが悪くないなら勝てばなんでもいいんだよ。後ろから不意討ちしたっていいさ。助けに入って負けたら意味ないだろ」

「「「なるほど」」」

「オジキやっぱあなたはオジキっすよ」

「オジキゆーな」

「「「ありがとうっす」」」



まぁ 教えてくれと言われたから ちゃんと教えた。

これでいいだろう。




ペッリギニ町に到着したが門が閉まる寸前だった。


これから村に帰るとしたら自転車で1時間か。


今日はお店に泊まろう。

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