第92話 王女に見つかる
ただの民間人だと思っていたじいさんズがまさかの極大魔法の使い手だった。
王子と王女はじいさんズを知っていて
「おひさしぶり。相変わらず すごい魔法ね」
「魔法をみて元気にしてるってわかったよ」
と 話かけていた。
そんなのんきな話してる場合じゃないでしょ。
山岳が一つ吹き飛んだんだから。
しかし、スキルってすごいね。
ほんとうらやましい。
・・・・
店を閉めた。
新メニューは大盛況だった。
しばらくしたらまた新メニューを増やす予定だ。
王族ズはもう少しペッギリニ町に滞在するみたいだ。
「もっといたいわ」
「もうすこしいいだろ」
と護衛隊長に言うと
「仕方ないですね。職務も終わりましたが もう少しならいいでしょう。わたしも駄菓子を・・・じゃなかった部下たちも町を視察したいといってましたから」
と少しの滞在を許してもらえたそうだ。
女神さまへのお供えでスマホの電波がいつか開通することを知ったので
あれからはスマホを持ち歩くようにしているが電波がないのでyoutubeなどが見られない。
地球に仕入れに戻ったときにリサイクルショップでポータブルDVDプレイヤーを発見した。乾電池も使えるやつだ。それに某アニメのDVDが全巻揃って売っていたので両方買っておいた。
昔の名作アニメだ。
お店を閉めて片付けをケブヤとミマファズに任せて 俺は奥で隠れるようにアニメを見ていた。異世界でもちゃんと見れるか ちょっとだけ試しに見るつもりが見いってしまった。
すると
「なにしてるのかしら」
「わ!」
王女が後ろからのぞいてきた。
「それはなに?板に絵がうつってるけど・・・ なに!絵が動いてるわ!」
王女に見つかってしまった。
チマキ町長の屋敷に帰ってなかったのか。
店の片付けが終わった後、ケブヤ ミマファズ 王族ズに根掘り葉掘り聞かれた。
「これはDVDプレイヤーという魔道具です」
もう面倒なので魔道具ということにした。
「その でーぶいでーぷれいや とやらで いったい何をしていたんだい」
王子に聞かれる。
「アニメという動く絵を見てたんですよ」
ごまかせないと思って白状した。
「ヘイサクはすげえの持ってるな」
「ヘイサクさん どんな絵なんですか?」
「おにーさん それ見たいよ」
ケブヤやミマファズも興味深々だ。
「これは ラフランダースの猫 っていうアニメ・・・動く絵です」
みんな見たそうなので 全員で見ることにした。
王子王女はフレンドリーでミマファズとケブヤとも仲良くなった。
ただ見るだけでは 味気ないのでなにか食べながら見ようと駄菓子を用意した。
そしてDVDプレイヤーにDVDをセットしていると
「ヘイサク殿いるかな 焼きそばをもらいにきたぞ」
「駄菓子もちょっとならいいよ っていってたのでいただきにきました」
「久しぶりのご馳走ですから急いでもらいにきました。確実に」
町長ズが店にやってきた。
そしてDVDのことを根掘り葉掘り聞かれたので町長ズも一緒にアニメ鑑賞をすることになった。
「あにめ とは どんなものなのだ。動く絵とは・・・」
「きっと紙芝居のようなものですよ」
「紙芝居を板にいれてるんですよ。確実に」
町長ズは勝手に想像を膨らませている。
「なんと!これは!動く絵ではなく 絵のような人間ではないか!多少チンチクリンだが人間だろう?」
「板の中に入っているんですか?どこから入ったんですか?」
「こんな小さな中に入るなんて不思議です。確実に」
町長ズ以外には「人間ではないですよ」と軽く説明していたので
映し出された映像を見て町長ズだけが驚いていた。
そして アニメ鑑賞は始まったのだった。
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