第90話 じいさんたち 再び

第90話




「なに!うまいだと!」

「おれにも太い糸をくれ!」

「俺もだ!」

「わたしも食べてみるわ!」

「わしもじゃ!」


焼きそばの注文が入った。




「はいよ!熱々のうちに食いな!」


ツンパが焼きそばを焼く。


「俺も!」

「俺も!」

「俺もだ!」

「俺もね!」

「僕も!」


俺がどうぞの冒険者パーティも注文し始めた。



「おまちどうさまです」

「どうぞー」

ミマファズが品出しする。


「ほんとだ!うまい!」

「これは新しい食文化ができるぞ!」

「この糸はうまいぞ!」

「これって持ち帰って旦那に食べさせたいわ!」

「わしもばあさんにもっていきたいぞい!」



俺がどうぞ1~5号

「「「「「うまい!」」」」」



焼きそばを食べたお客さんは大絶賛だ。



王族ズは庶民に変装して店にいた。


「食べてみよう」

「そうね兄さま」


王族ズも焼きそばを食べた。

すると


「おお!なんとすばらしい味だ!太い糸がこんなに味わいがあるとは!」

王子が絶賛する。


「おいしいわ!これも王宮でも食べたことがない料理!しかも冷めても味わいがある料理と思うわ」


王女はわかってるね。

冷めた焼きそばはちょっと硬くなるけど そこがいいんだよね。



すると王子が・・・















「ほんとにおいしいね。そうそう、僕の股間の太い糸も「言わせません!」・・・」


王女が黙らせた。


「ははは。たわむれだよ」


下ネタ王子め。


王女も大変だね。






こっちでは・・・


「焼きそばうまいな!」

「見た目は食えるのかと思ったが」

「ルフダンワの食い物は間違いがないな」

「焼きそばは 最高だな」

「いや 焼きそばは 至高だ」


「「さいこうだ」」

「「しこうだ」」



「「やるか」」

「「やるか」」


「「「「最高で至高の焼きそばもって ちょっとギルド裏にこいや~」」」」


ギル裏もまたやってるね。



ギルド裏にいって4人で仲良く食べている光景が目に浮かぶ。



ギル裏は子供に駄菓子あげたり面倒見がいいね。




焼きそばも大盛況だった。





大人が駄菓子を買う数は制限しよう。

そして大人は値上げしよう。

子供に買わせる大人が出てくるかも知れないけど、それはそのとき考えよう。




焼きそばも大盛況で まいどー と思っていると駄菓子コーナーで何かあったようだ。

行ってみる。


前回クッキーでケンカしてた、おじいちゃんたちが駄菓子で揉めていた。


「玉ねぎ寝太郎はわしが買うんじゃ」


「いや わしじゃ」


玉ねぎ寝太郎が残り一つとなっていた。


お互いの両耳を引っ張り合って

「痛くないもん」

「泣いてないもん」

とか またやっている。


今回は子供だけに売る予定だったので駄菓子の予備は用意していない。



ヒートアップしたおじいちゃんたちは距離をとった。


そして・・・



「どうしてもゆずらんか」

「ゆずるわけなかろう」


「がんこじじいめ」

「なにを おいぼれ じじい」


「やるか」

「のぞむところじゃ」



おじいちゃんたちが睨みあっている。


不穏な空気がただよいはじめる。

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