第89話 粉ジュースと焼きそば
第89話
粉ソーダジュースも商品袋から開封して一品ずつ大きな器に入れてもってきた。
溶かしてコップ1杯ぶんの量を駄菓子1つとした。(駄菓子4つで銅貨1枚)
「そしてこれが粉ソーダです。こうやって水に粉を入れてかき混ぜると」
シュワシュワシュワ!
「シュワシュワのジュースになります。うちで出しているサイダーより弱いシュワシュワですが味付きって感じです」
「なに!味があるシュワシュワだと」
「味付きのシュワシュワだと」
「俺にくれ」「こっちも」「こっちもだ」
「イチゴうめー」
「確かにシュワシュワは弱いがメロンゆうやつは うまいぞ!」
「ルフダンワのシュワシュワっぽいのが手軽に飲めるのか」
「しかも安いわよ」
「ばあさんに飲ませてやりたいの」
粉ソーダも大人に大好評だ。
そして
主役のはずの子供たちは・・・
「シュワシュワジュース飲みたかったのに!うえ~ん!」
「ちかづけないよ うえーん」
またしても大人たちが駄菓子コーナーに群がり、子供たちが駄菓子を買えずに泣いている。
「悪かったな坊主。これやるから泣くな」
またギル裏の一人が子供にオレンジソーダジュースを作ってあげた。
子供はオレンジソーダをもらって飲むと
シュワシュワ!
「おいしい!のどがシュワシュワして甘くておいしいお!」
「僕にもちょうだい!」「わたしにも!」
「「甘くてシュワシュワでおいしい!」」
ソーダジュースも子供たちに大好評だった。
粉ソーダはシュワシュワジュースの名前で広まるのだった。
町長ズ3人は遠くから世界の終りのような顔をしてルフダンワ亭を眺めていた・・・
いやいや ちょっとだけ差し入れするから。
ケブヤに夜食用に焼きそば焼いてもらうから。
駄菓子もちょっとあげるから。
そんな顔しないでくれ。
・・・・
焼きそばコーナーはケブヤがガツガツ焼いていた。
日本で見かける焼きそば的屋のおやっさん そのままだ。
焼きそばには地球の野菜と異世界のボア肉をいれている。
皿に焼きそばを盛って「あがったよ!」といいながら
リズムよく焼いている。
ケブヤよ。 おまえ調理人に向いてるな。
「おまちどうさまです」
「おまちどー」
ミマファズが焼きそばをもってくる。
「なんだこれは?この太い糸みたいなやつ食えるのか?」
「これが新メニューなのか?」
「野菜や肉は入ってるが期待して損したか」
「こんなの食えないだろ」
するとそこに・・・・
5人の冒険者がさっそうとあらわれた。
最近パーティをくんだ〈聞いてないよ俺がどうぞ〉冒険者パーティだ。
まさしく「俺たちが主役ですよ」と言わんばかりに。
そして手を上げた。
俺がどうぞ1号
「その太い糸!俺が食うよ!」
俺がどうぞ2号
「いや俺が食う!」
俺がどうぞ3号
「いやいや俺が食う!」
俺がどうぞ4号
「それは俺が食う!」
俺がどうぞ5号
「僕は食べないよ!」
いつものように
1号~4号が 俺が俺が と手を上げて
5号が 「じゃ僕が」
と手をあげようとした そのとき!
学者風の男が一歩前に出てきた。
魔道コンロを売ってくれた魔道具屋の主人ニクショグウドマさんだ。
「ふん!店主よ!わたしが味見してやろう。まずかったら承知しないからな」
グウドマさんは恐る恐る焼きそばを口に入れた。
すると・・・
「う、うまい! なんだこれはモチモチした食感だ!タレが太い糸にしみ込んでうまさを引き立てている!すばらしい!」
グウドマさんは絶賛する。
聞いてないよ俺がどうぞの冒険者パーティは 横やりが入るとは思っていなかったので
見せ場を持っていかれた。
そしてこう叫んだ・・・
1~5号
「「「「「「ええ~!聞いてないよ~」」」」」
5人同時に叫んでいた。
この叫びには哀愁がただよっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます