第72話 借金まみれ

第72話




チマキ町長とノモコと俺で領地の借金返済計画を立てることになった。


町長の屋敷に到着した。


町の発展を目指すはずだったのに今は領地問題に足を突っ込む形になっている。



「ところで領主さまの名前を知らないのですが」

「そうか。ヘイサク殿は知らなかったな。カタユ伯爵さまだ。領主はカタユ・ゲリシさま。夫人はカタユ・ゲナハさま。 嫡男カタユ・ゲキワさま。 娘カタユ・ゲミミさまだ」


「領主さまの町をチマキ町長(代官)が納めてるのですね」


「そうだ。だからこそ わたしは町を良くしたいのだ」


「なるほど」


となるとサーゼリ村はガーリ村長が代官なのか。

全然それっぽくないんだよな。

のほほんとしてて。



「まぁ何を隠そう カタユ伯爵さまは王国一の貧乏領主だがな」


「人が良すぎるんだよ。前領主のゲソヘさまもいい人だったがゲリシさまは度を超えている」

チマキ町長とノモコがゆうには この地方は王国の最果てと呼ばれる南東の何もない貧乏領地だそうだ。

前領主が平原と森しかないこの領地に町と村を作り上げたそうだ。


すごいね。一代でここまでにするなんて。


前領主さまとチマキ町長のお父さんはすごい町長(代官)だったんだな。

もしかしたらガーリ村長(代官)もすごい村長なのかも。




借金している隣領の首都はドンセシュ町。


隣の領主はキース・ネカオ子爵。


領地持ちの貴族でありながら金貸しをしているそうだ。


もし、このまま借金が増え続ければカタユ伯爵は子爵に降爵されてしまう可能性が高いそうだ。

そしてネカオ子爵に領地も半分ほどとられて この町はネカオ領になるという。


そしたら残るのはサーゼリ村と平原と森だけになってしまう。



なぜ借金まみれになったかまとめると


領主がそこぬけのお人よしであること。

前領主が亡くなってからは隣領からいろいろ売り込みがあり、言い値で買っていたため。

そこに領主の長男ゲキワくんが病気になり薬代のため借金。

隣領主に金を借りて さらにどんどん借りて返しきれない状態。


そこで ノモコが借金返済の代理を申し出た。


ということだ。



ネカオ子爵のやり方は 利子だけ受け取るそうだ。

それ以上の金銭は受け取らないらしい。

「伯爵さま。金銭を工面するのは大変でしょうから利息分だけでじゅうぶんですよ。ふぉっふぉっふぉ」

って感じみたいだ。


いろいろなところに金を貸して利子だけで大金を手に入れているという話だ。



うまいやりかただね。


それだと永遠に借金は減らないし、利子分だけを永遠に受け取れる。

そしていきなり全額耳そろえてかえしてくれと言われたとき、すべてが終わりそうだ。


このままいくと しりの毛まで抜かれて伯爵家はとりつぶしになりそうだ。


しりげがゆたか なら全部抜かれることはないのかな?


とりあえず利子以上の返済をできるように考えよう。

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