第66話 チマキ町長の店番 前編
第66話
「あとのこと」って店のことだった。
町長がどうしても店をやりたいというので任せることにした。
町長とバレないように変装してお店を営業するみたいだ。
オカッパのカツラをつけて マッキーという名で店員をやりたいといいだしたのだ。
「オーナーとして売上アップをめざす!」
握りこぶしを作り ふんす! と張り切る。
品物は魔法袋に入れて店裏においてあるので 俺がいなくてもお店が出来るようにしてある。
ちょっとの つまみ食いなら許しているので町長はやる気マックスだ。
ケブヤが店番のときはケブヤの魔法袋に品物を入れてもらっていた。
今日は店を閉める予定だったこともあり いまのところ客はいない。
しばらくすると店にお客さんがきた。
彼の名前はツシイタウコフ。
彼は何度かルフダンワ亭にきたことがあった。
「いらっしゃいませ」
「新人さんかな」
「はい。今日から働き始めましたマッキーです。どうぞよろしく」
「よろしくね」
「ご注文をどうぞ」
「それじゃ クリームパンとオレンジジュースを頼むね」
「わかりました。ケーキとサイダー ご注文ありがとうございます」
「わかりましたっていって わかってないでしょ。クリームパンとオレンジジュースね」
「失礼しました。ケーキとサイダー ご注文ありがとうございます」
「そんなこといってないでしょ。クリームパンとオレンジジュース」
「ケーキおいしいですよ。 サイダーもシュワっとおいしですよ」
「そうかもしれないけど。 俺はクリームパンとオレンジジュースを注文したいの」
「分かりました。ホールケーキ1丁ご注文」
「ちがうっての! なんでホールケーキがでてくるの。 ちゃんと聞いて。 クリームパンとオレンジジュース!」
「カレー1丁ご注文」
「おちょくってんのかい!」
「おちょくってませんよ」
「クリームパンとオレンジジュースね!」
「はい。ご注文クリームパンとオレンジジュースですね」
「うんうん 早く頼むよ」
・・・5分後
町長はカウンター席に座ってくつろいでいた。
「遅いね 裏方さん忙しいのかな」
「いつもは忙しいみたいですよ」
「そうだろうね。流行りの店だものね」
「ええ。おかげさまで」
「しかし遅いね。お客は俺だけなんだけど」
「今日は裏方いませんから」
「ん?じゃ注文を持ってくるのは誰がやってるの?」
「わたしです」
「早く持って来てよ!! なにくつろいでんの!」
「そうですね。店番は初めてでして。すぐにもってきます」
「ケーキ1丁 おまち」
「おまちじゃないよ! なんでケーキなの!」
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ナレーター キートン山〇風
変装して店番を張り切るチマキ町長。
しかし 客の注文をまったく聞かないやりたい放題な接客をするのであった。
ツシイタウコフの運命はいかに!
後半へ つづく・・・
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