第62話 呼び出し状

第62話




ケブヤがたまに店員をやるようになった。

最初のころはミマファズがおびえていたが人相のわりに すごくいいやつなので

いまは仲良しだ。


お店も順調だった。



しばらくたって

「これ わたしてってたのまれた」

子供が紙きれをもってきた。


「ありがとね ご褒美に ふわふわパンあげるよ」

「お兄さん ありがとう わーい」

紙きれを受け取り ふわふわパンをあげると子供は大喜びだった。



紙きれをみると

「イナイガトヒ路地へ来い」

と書いてある。



呼び出し状だ。




誰だか知らないが おそらく店にケブヤがいて手出しできないから呼び出したのだろう。


ケブヤとミマファズにお店をまかせて呼び出しのところへ行った。


すると・・・






















ヒュン!


路地の影から剣で斬りつけられた。


サッ


ギリギリで避けた。


ほほにキズがある男が現れた。


「避けたか。なかなかやるな。いい身のこなしだ」

「誰だ」


「名乗るほどのも者じゃない」


どう見ても殺し屋だ。殺気が伝わってくる。


「お前に恨みはないが・・・まぁ・・・ある」


「どっちだよ」


「この町で商売されると困る人がいるってことだ。おとなしく町をでて行くか それとも死ぬか 選べ」


「どっちも断る」


「そうか」

ほほに傷がある男が剣を構える。


モノクロで鑑定してみると


名前ヤシロコ 強さ100 魔力50 スキル身体強化 状態健康


「おとなしく町を去ればいいものを。 くっくっく」


名前ヤシロコ 強さ130 魔力45 スキル身体強化発動中 状態健康

強さが上がって魔力が減った。


身体強化をつかったのか。スキル発動になっている。



俺も素人格闘の構えをとる。



シュ! シュ!

近づいて殴ろうとしても当たらない。



体裁きがうまく、こちらの攻撃を避けたあとに剣で攻撃してくる。


シュ! 


ザシュ! 


「うっ!」  


シュ! 


ザシュ! 


「うっ!」


相手の攻撃はよけきれず ときどき受けてしまう。


強い。


「貴様も身体強化が使えるのか? 剣で切っても硬くてかすり傷にしかならない」



たぶん強さ190あるからだろうけど、答えてる暇がない。


集中しないとやばい。


このままだとやられる。



距離を取って石をひろって投げる。


びゅーん! ドガン!

石が壁に突き刺さる。


「な、なんだ。その威力は!」


殺し屋が驚いている。



かまわず連続で石を投げる。


びゅーん! ドガン!

びゅーん! ドガン!


「当たらなければどうということはない」


殺し屋は石をよける。



びゅーん! ドガン!

びゅーん! ドガン!



「くそ。石があたらない」

石は壁に突き刺さる。



「くっくっく」

笑いながら殺し屋が近づいてくる。



「このままだと殺される」

そう思って ある技を使うことにした。



ゴブリンやオークに使った秘策だ・・・






















殺し屋の後方を「あれ?」と覗き込むように見た。


すると殺し屋も後ろを振り返った。


チャンス!


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